子どもと哲学を 問いから希望へ
森田伸子
子どもが哲学的に考えること、おとなが子どもと哲学的に考えること、その意義が細やかで温かい筆致で綴られる。その要点は次の一節によく表されています。「哲学は、人間がなぜか共有している『意味』の世界へとどこまでも近づこうとする営みそのものです。」
この営みは、言葉を介することなしにはありえません。意味は言葉と別に存在することはできないからです。そこで、私たちは自分たちが使っている言葉の意味を互いに吟味しあい、言葉を尽くすことによって、一歩ずつ探求の歩みを進めていかなければなりません。そして、意味の世界がすべての人間に共有のものであるとしたら、哲学の営みはまた、すべての人とのつながりを求める営みでもあります。
(勁草書房)
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