創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで

松本卓也

「狂気」が正常で通常の状態からの逸脱を意味するとして、「創造」は正常または通常ではないものに肯定的な価値を認める言葉であると言えます。本書では、この両者の関係が古代ギリシアから現代までどのように考えられてきたかが概観されます。

詩の着想源としてのメランコリー、近代における統合失調症の出現、精神の崩壊と引き換えに真理に到達する悲劇の天才としてのその患者像、今日における病像の変化等のトピックを辿るうちに、読者は、問題にされているのは狂気観の変遷(「狂気」なるものを各時代、各文化はどのように捉えてきたか)よりもむしろ狂気そのものの変化、ひいては社会や文化の変容なのだと気づくことになるでしょう。 (講談社選書メチエ)

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