日本で暮らす外国籍の人びとが年々増えています。なかには日本語が話せない人もたくさんいます。特に、英語圏以外からやってきた人たちにも、必要な情報がきちんと伝わるような情報保障の仕組みを整えることが喫緊の課題です。
病気になったりケガをしたりした時、病院で医師とうまくコミュニケーションがとれないと命に関わります。そこで、様々な専門分野の研究者と共同で、日本国内地域の医療通訳事業の実情を調査し、実態の把握と課題を研究しています。
情報弱者に対する情報保障のあり方
日本では、国レベルでの医療通訳制度はなく、各自治体によって仕組みは多様です。医療通訳者がボランティアで活動していることが多いという特徴があります。その場合、どのような問題があるのか。医療通訳の質、言語の多様性への対応など、課題はたくさんあります。こうした課題を解決するためには、先進的な情報保証制度を実現してきた海外事例を参考にすることも大切です。そこで、90年代以降に国外からの移住者が急増したスペインのバルセロナ市をはじめとした地域の情報保障のあり方を調査しています。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→製造業、金融業、公務、教育
- ●主な職種は→総合職、営業、SE、教員
分野はどう活かされる?
外国語を専攻する学部であるため、専攻言語を活かせる企業が人気です。ラテンアメリカやスペインとの取引がある企業、国外への出張、駐在の可能性が高い企業などに就職する人も増えてきました。給料よりも、福利厚生の充実、楽しさや自分の可能性を求めて就職する人が増えているという印象を受けます。
外国語学部では、専攻言語の高い運用能力を身につけ、教養教育、学部専門科目を通して自由に自分の関心分野を深めることができます。
愛知県立大学では、2007年度より、社会人を対象とした医療分野ポルトガル語スペイン語講座事業を展開しています。南米出身者を始めとする外国籍の人が多く居住する愛知県において、外国語学部は、国外で活躍する人材を育てるだけでなく、地域社会の国際化、住民の多様化に伴うニーズに応えていくことも重視しています。学部授業においても、医療通訳やコミュニティ通訳の基礎知識、基本的な技術を学ぶことができるカリキュラムとなっています。