反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の正体

森本あんり

アメリカ大統領選でのトランプ氏の勝利をめぐり、話題となった「反知性主義」。その「反知性主義」を、アメリカ的な背景から説明する。ハーバード大学の設立から、キリスト教信仰の持つ平等主義を足がかりに、知性と権力の結びつきに対する反発として反知性主義が成立した。本書を通して、人間の信念や信条が社会の決まり事を動かし、歴史を作ってゆく過程を見ることができる。人は社会や環境や境遇に影響されるが、逆にそれらを形成する力も持つ。だからこそ人は、時代や地域ごとに新しい制度や組織を作ることができるし、それを使命として背負ってもいる。また、自分が知っていると思っていることに、実は別の側面があることを知ってもらいたい。 (新潮選書)

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