わたしは真悟

楳図かずお

こちらは漫画です。1982年から連載が始まりましたが、そこで展開される世界の奥深さと先見性には本当に驚かされます。ヒューマノイドではなく、産業ロボットの「真悟」に意識が芽生えるという話は、もちろんアイザック・アシモフの『われはロボット(アイ・ロボット)』を意識しているものの、連載が進んでいく中、物語は意識、存在、神の問題など、哲学的な問題へとテーマを多岐に広げていきます。

そしてこの作品も良い例ですが、楳図かずおの作品のテーマのひとつは「子ども」。主人公の子どもたちは、偏見を持たずにこの大きな世界と対峙していくのです。ただその姿に、私たちはこのカオスと化した世界に放りだされた自分たちを重ねずにはいられません。今だからこそでしょうか。何度読んでも新たな感動が沸き起こります。2016年にはフランスの振付家、フィリップ・ドゥクフレの演出でミュージカルにもなりました。 (小学館文庫)

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