呻吟語
呂坤、荒木見悟
500年前の中国の哲学書であり、現代に通用する生き方を学べる書である。その中に、「大事難事に担当を看る」で始まる漢詩がある。「看る」というのは自分を見守るということである。大事件や難しいことに対面したとき、人間の懐の深さがわかるという意味だ。読み進めると、うまくいっているときこそ、失敗の芽が出やすいことを戒めていることがわかる。うまくいかないときにも腐らずあきらめず、うまくいっているときには、有頂天にならずに勇み足をしないような慎重さ、冷静さを求めている。
(講談社学術文庫)