省察

ルネ・デカルト

哲学の古典中の古典。解説書や入門書には、わかりやすく書こうとして生ぬるくなってしまった本が多いので、あえて「世界の存在を、この私の存在を疑う」デカルトの『省察』を推薦しよう。学校で習ったことは、どれも本当らしくはあっても、本当に真理だとは確信しがたい。この宙ぶらりんの気分のまま生きて一生を終えるのではなくて、自分として絶対に疑い得ないことをつかむには、一生に一度はすべてを疑ってみなくてはならない――こうして『省察』は始まるが、これはまさに、普段当たり前と思われていることを改めて根本から考え直す哲学的思索そのものである。読後には、本心からそう思っていないのに「いいね!」とツイートしたり、うっとうしくてもLINEに返事したりする日常とは、まったく別の世界が開かれるだろう。 (山田弘明:訳/ちくま学芸文庫)

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