朱鷺の遺言
小林照幸
トキは日本で一度絶滅した鳥だ。現在、佐渡島でトキの保護と野生復帰事業が進められているが、それは中国産の個体を繁殖させたものなのだ。トキが絶滅の危機にあると認識され、保護活動が進められながらも、絶滅を食い止められなかったのはなぜなのか。本書から、自然保護や環境保全がいかに難しいか、同じことを繰り返さないためにはどうすればよいのかを考えてほしい。この本が最初に出版された1990年代後半には、まだ動植物の保全のための研究はほとんどなかったため、「生物資源保全学」などという言葉は出てこないが、日本産トキを守れなかった原因を探ることは、保全を考える上で必須のことだ。そして、私たちは、様々な動植物を滅ぼしてきた事実を認めなければならない。
(文春文庫)
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