動く遺伝子 トウモロコシとノーベル賞

エブリン・フォックス・ケラー

ノーベル生理学・医学賞を獲得した女性研究者、バーバラ・マクリントックのインタビューを通した自叙伝。DNAの中には、自分の位置を変えることができる「トランスポゾン」と言われる遺伝子がある。トウモロコシの染色体を研究し、この動く遺伝子を発見したのがバーバラである。しかし発表時は、当時の学説をひっくり返すものだったために狂っていると言われ、女性差別も受けた。動く遺伝子の説はあまりにも先んじていて誰にも理解されなかったのだ。しかし現在、トランスポゾンは生命科学の最先端の研究テーマのひとつである。本書を通し、彼女が女性研究者としてどのような苦難の道を歩んだかもわかる。 (石館三枝子、石館康平:訳/晶文社)

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