渋谷の神々
石井研士
表紙の写真は、渋谷を象徴するファッションビル「SHIBUYA109」前に列をなす半纏姿の祭りの担い手たち。本書は、東京の〈渋谷〉を、神社や祭礼、仏教寺院、キリスト教、新宗教、小さな祠やスクランブル交差点でのお祭り騒ぎなど、「宗教」という切り口から読み解く。本書によって、普段は何気なく都市生活をしている人も、「思いがけず歴史的に幾層もの地層の中で継続と変容を経ながら存続してきた宗教に出会って、自らの出自や文化を自覚する」ことになるだろう。「宗教学」、「神道学」、「民俗学」にまたがる研究者たちが執筆した國學院大學における学際的共同研究成果であり、〈渋谷〉を対象とした一般向けの「地域学」(地元学)でもある。
(國學院大學研究開発推進センター渋谷学研究会:編著/雄山閣)