聴衆の誕生 ポスト・モダン時代の音楽文化
渡辺裕
渡辺裕氏の著作は、「音楽」を切り口にして、社会文化を考えるものです。例えば私たちが「伝統音楽」と思っているものが、作られた当時は全然違っていたこと、クラシック音楽は最初から「静かに聴く」ものではなかったことなど。「音楽」とはこういうものだという自分の見方が、実は社会の中で後から作られたものなのだということに、気づかされます。
最初から「正しい姿」の音楽があるのではなくて、社会文化の中で人々によって作られてきたものだという見方は、音楽とその教育を広い視点から捉えることを可能にします。他の著作に『歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ』(中公新書)や『考える耳 記憶の場、批評の眼』(春秋社)などもあり、そちらもおすすめします。
(中公文庫)
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