音楽の基礎

芥川也寸志

音の羅列は、どうして「音楽」として聞こえるようになるのか。記譜法や音階など、音楽の学問的基礎には、その答えが隠されている。本書の音楽理論の説明はやや難しいが、それは音の羅列が「音楽」になるための約束事だ。しかしまた、約束事だけでは音は「音楽」にはならない。あのバッハやモーツァルトにもきっと些細なことで笑ったり怒ったりする愛すべき日常があり、彼らの感じた生の美しさが投影されてはじめて、音は「音楽」になる。「静寂とはかすかな音響が存在する音空間であり、この静寂こそが人に音の美しさを感じさせる」といった、著者の音楽をめぐる思索が随所ににじみ出ているのも趣き深い。 (岩波新書)

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