存在の耐えられない軽さ

ミラン・クンデラ

わけのわからないタイトル、舞台は社会主義政権下のチェコスロヴァキア、いきなり出てくる哲学の話、しかも大人の恋愛を描いている……。全体の筋がわからなくてもよいので、飛ばしながらでも読み進めてほしい。様々な愛のかたち、エロティシズム、理解と誤解と無理解といったことが意外な仕方で語られていることに気づくだろう。小説はヨーロッパで生まれた芸術の一形式だ。芸術は感性的なものでも知的なものでもあるが、小説は知的な部分が際立った形式といえる。この作品は現代のヨーロッパで書かれた小説が示す知性のあり方のひとつの典型で、それが感性的なものや美的なものとどうつながっているかも教えてくれる。作品世界に漂う独特な雰囲気はまさにヨーロッパだ。 (千野栄一:訳/集英社文庫)

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