ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー

清水透

本書は、ラテンアメリカの征服から独立、そして現代までの公式の歴史を問い直します。ヨーロッパ人による征服、彼らから「野蛮な他者」と見なされた人々の抵抗、両者の共生のありようから、歴史の本質が暴き出されます。著者の問いかけは、そこから日本社会における「他者」への差別の問題にも連鎖していきます。

著者は、歴史的事象をただ覚えても何の意味もなくて、そこから何を感じとり、何を考えるかが重要だと述べます。「歴史の勉強は知識の詰め込みで面白くない」と思う皆さんにこそ、読んでもらいたい一冊です。 (岩波現代文庫)

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