クレオール主義

今福龍太

キューバの歴史は、奴隷貿易、移民、亡命など、様々な民族の移動と混交によって特徴づけられています。本書は、メキシコやカリブ海域、ブラジルなどをフィールドとする文化人類学者が、そのような文化の流動性について日本に紹介した先駆的著作です。

「クレオール主義」というのは、単一性や純粋性への還元と固定化ではなく、多様な人種や文化の「混血」と変容による動的な創造性に目を向ける姿勢です。やや難解な文体ですが、文化人類学の枠を超えて、文学や絵画、写真などを交えた横断的考察はすごくスリリングで、知的好奇心を刺激されます。 (ちくま学芸文庫)

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