光と物質のふしぎな理論 私の量子電磁力学
リチャード・P.ファインマン
この本の著者・ファインマンと朝永振一郎は、量子電磁力学の功績でノーベル賞を同時受賞した。量子電磁力学とは、電磁場という場において素粒子のふるまいを記述する量子力学の理論のこと。当時の物理学者を悩ませたのは、実際に観測される電子の質量と、量子力学で理論計算されたそれとが合わず電子の質量が無限大に発散してしまうという問題だった。朝永博士は、「くりこみ理論」という方法で解決したが、ファインマンは「経路積分」という方法だった。二人の方法はその後、力の統一論の構築に多大の貢献をした。ファインマンさんは、語り口がやさしく、専門家のあいだでも超難解で鳴る経路積分法の本質がなぜか不思議によく理解できる。
(釜江常好、大貫昌子:訳/岩波現代文庫)
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