「余剰次元」と逆二乗則の破れ 我々の世界は本当に三次元か?
村田次郎
物体間に働く力の大きさは、物体A、Bの距離の2乗に反比例にして小さくなることが知られている。つまり物体A―Bが離れるほど、引き合う引力は小さくなるってことだ。これを万有引力の逆2乗の法則という。ところが0・1ミリくらいの短い距離でこの法則がなりたつかどうか、実はだれも検証してこなかったという。著者は、もしミリ単位の距離で万有引力の法則が正しくなければ、私たちの住む3次元空間を超える余剰次元が存在するんじゃないかと考え、この本でその存在を実験的に探索する研究を紹介している。そのために物理を習っている途中の高校生でも理解できるように、かつ、高校生であれば理解できる数式を使ってきちんと説明している。
(ブルーバックス)