里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く
藻谷浩介
著者は日本開発銀行(日本政策投資銀行)などを経て、地域経済、観光、人口動態を詳細に調査する地域エコノミスト。同氏は本のタイトルになった里山資本主義を「お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、あらかじめ用意しておこうという実践である」と言っている。この本は、森林と共生する生活・社会のあり方を考える上で、興味深い実例がいくつか紹介されている。グローバル化が進む社会において、また違う価値観を提案するものとして興味深く読める。
(NHK広島取材班/角川新書)