働かないアリに意義がある

長谷川英祐

著者の長年のテーマは「働きアリの中に何も働いていないアリがいると言われているが、それは本当なのか」だった。実際に働かないアリだけを集めて観察してみると働くアリが現れた。逆に働くアリだけにすると全然働かないアリが現れた。原因は、仕事に対する腰の軽さの個体差。なんでそんなことが起こるの?働いていたアリが疲れてしまったとき、働いていなかったアリが働き始めることで、労働の停滞を防ぐ。つまり、働かないアリがいるシステムの方が、コロニーの長期的な存続が可能になるという。進化生物学の最新知見とともに生物学者の人生観、社会観が伝わってくる本で、読むと人生について、社会について、見方が変わる名著。 (メディアファクトリー新書)

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