土木環境システム

がんばれ微生物!長い間、微生物が汚染浄化に活躍できるように


中村寛治 先生

東北学院大学 工学部 環境建設工学科/工学研究科 環境建設工学専攻

どんなことを研究していますか?

土壌汚染の浄化には、汚染土壌を掘削し取り除き、清浄な土壌と入れ替えるなど、物理化学的な浄化手法がとられてきました。しかし最近は、微生物の化学物質分解能力を活用した浄化技術が大きな流れになっています。この微生物を、環境浄化細菌といいます。

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私は、環境汚染の原因物質を探り、この環境浄化細菌を使って無害化する研究を行っています。しかし、環境浄化細菌を環境中に放出すると、食物連鎖の中で、上位の生物である原生動物によって、1週間以内という短期間で捕食されるという課題があります。そこで、なぜそのような捕食が起きてしまうのか、その機構解明に取り組んでいます。それが理解できれば、環境浄化のために放出された細菌が、長い間、汚染物の分解除去に活躍できる具体的な技術を提案できると考えています。

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実験室

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→製造業に入る水処理企業や水コンサルタント等
  • ●主な職種は→研究・技術開発・設計等
  • ●業務の特徴は→自らが中心となって綿密に仕事を進める
分野はどう活かされる?

土壌汚染関連(浄化や分析)、水処理技術の開発、水処理施設の管理、水質分析

先生から、ひとこと

環境中で起きるの現象は、いつも私たちの想像をこえています。それを明らかにしていくのは、ワクワクの連続です。

先生の学部・学科はどんなとこ

自由な雰囲気の中で、充実した研究施設を使って、研究に取り組めます。

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研究室の学生が河川にてサンプルを採取しているところ

先生の研究に挑戦しよう

河川・湖沼・土壌などの自然環境から、新しい環境浄化細菌を探し出す。

興味がわいたら~先生おすすめ本

水の世界地図 刻々と変化する水と世界の問題

マギー・ブラック、ジャネット・キング

土木工学の環境分野は、そのスタートは上水・下水分野だった。つまり、基本的には安心・安全な水が人に供給できる社会作りがその根幹にある。本書は世界的な視野で水問題の今を見つめるきっかけを提供してくれる。 (沖大幹:訳/丸善出版)


初歩から学ぶ水処理技術 微生物の働きできれいな水をつくる

福田文治

安全な水資源・水環境を守ることは、土木環境システム分野の大きな目標だ。普及している汚泥処理法から、新しい生物処理や超臨界水を利用した処理まで、具体的な水処理技術に関する知識を得ることができる。 (丸善プラネット)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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