失楽園

ジョン・ミルトン

天使サタンが神に反逆し、戦いに破れ地獄に落とされるも、再び仲間の堕天使たちと復讐を企て、エデンの園に住むアダムとイヴをその標的とする。マンガのようなストーリーですが、17世紀イギリスの詩人ジョン・ミルトンによる、旧約聖書『創世記』の一節に基づいた、一万行を超える一大キリスト教叙事詩です。

ヨーロッパの文化や歴史を理解する上では欠かせないキリスト教ですが、この作品では人間が楽園から追放された経緯が、ミルトンの想像力を交えながら語られます。聖書に基づいた物語ばかりではなく、17世紀イングランドで起きた宗教的対立や、国王への批判、ガリレオに代表される天動説の宇宙論、イングランド式庭園への言及など、歴史背景を知ることができる一大百科事典でもあります。堕落をしてしまうアダムとイヴですが、その二人に希望を見出すドラマを堪能してください。 (訳:平井正穂/岩波文庫)

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