心病む母が遺してくれたもの 精神科医の回復への道のり

夏苅郁子

著者の母は、著者が10歳のとき統合失調症にかかった。父は家庭を顧みず、のち父母は離婚。孤独と絶望から二度の自殺未遂をしたが、母と再会。漫画家の中村ユキ著の「我が家の母はビョーキです」という本を読んで、母の統合失調症を真正面から向き合うことにしたという。著者はその後、大学、精神科助手を経て精神科医になり、同じく精神科医である夫とともに診療所を開業した。この本はそんな彼女の話。本の最後を、「人生って素晴らしい」と言えるようになるまで、というあとがきで結んでいる。 (日本評論社)

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