なかのとおるの生命科学者の伝記を読む
仲野徹
生命科学者の著者が、偉大な生命科学者17人の伝記を紹介することで、彼らの考え方や生き方に迫る。明治時代、ビタミン欠乏症によって重度の心不全や神経障害を起こす脚気という病気が、蔓延していた。日本人の過度な白米食が原因とわかっていたが、陸軍医務局長の森林太郎はそれを認めなかった。森林太郎とは、医師でもあった文豪、森鴎外である。波瀾万丈の人生を生きた野口英世、あるがままに生きた北里柴三郎、その他海外の生命科学者など。過去の偉人たちの人生ドラマが生き生きと描かれている。偉大な発見の裏側にある、波乱万丈な科学者の人生が興味深い。
(学研メディカル秀潤社)