中国の三国時代の呉、東晋、南朝の宋・斉・梁・陳を「六朝」と呼びますが、この時代に生み出された中国の古典詩を研究しています。中国には昔、歌謡の楽曲や歌詞を集めて記録する「楽府」と呼ばれる役所がありました。「楽府」で採録、整理された歌詞や後の時代の模倣作など韻文のジャンルを、現在では「楽府」と総称しています。私は六朝で生み出された「六朝楽府」を専門的に研究しています。
詩人はどのように語を選んだり、生み出したりするのか
「六朝楽府」は、中国古典詩の歴史の中でも、詩人が様々な言語実験をしており、その後の新しい詩的言語を決定づける極めて重要な役割を果たしました。詩人は詩を作るとき、自分の表現したい内容に従って新しい語を創造したり、以前から存在する語の中から最も適切だと思われるものを選択したりします。私はその創造や選択のメカニズムについて少しでも明らかにできればと考えて研究を進めています。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→教育・学習支援業
- ●主な職種は→高校教員
- ●業務の特徴は→大学で得た高度な専門知識を活用できる
分野はどう活かされる?
言葉を大切にしつつ、一つの作品には様々な解釈があり得るということを生徒に伝えられている教員となっていると思います。
「文学」は、社会に変化をもたらすものではなく、社会の在り方を映し出す鏡のようなものだと思っています。言葉を大切にする社会なのかどうか、多様な価値観の存在を認める社会なのかどうか、教養を重んじる社会なのかどうか、世界の様々な国、地域、民族それぞれの文化や伝統を尊重する社会なのかどうかなどが、反映される鏡だと考えています。
文学研究の伝統があります。伝統があるので、多くの様々な文献資料・史料が蓄積されています。古い文献資料・史料の中には今となってはいくらお金を積んでもなかなか入手できないものもあります。ここで学ぶ人たちはみなホンモノの資料や史料を実際に手に取ってみることができます。ホンモノに触れることは大切です。中央図書館の地下にある書庫は心地よく秘密めいて、至福の時間を過ごすことができます。