生物分子化学

天然の植物、微生物から有用物質探索に挑む


石橋正己 先生

千葉大学 薬学研究院

どんなことを研究していますか?

新しい医薬品を創り出す創薬の分野で、非常に注目されているのが、天然物と呼ばれる生物が産生する物質です。本研究分野では、数百種の天然物を発見し、感染症などの予防・撲滅に貢献したノーベル賞学者大村智博士をはじめ、多くの日本人研究者が活躍しています。

新しい医薬品の“種”の発見を目指して

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私たちは、植物や微生物が作る化学物質(天然物)から、有用な物質を探す研究をしています。現在、病院や家庭で使用されている医薬品には、もともと天然の植物、微生物、動物のからだなどに含まれている化学成分として見つけ出された、天然物や天然有機化合物がたくさんあります。私たちは、天然物からの中から、医薬品の種になるものや、科学研究のための試薬などとして利用されるものを発見しようと研究を続けています。

今までに、ショウガ科の植物やキョウチクトウ科の植物から、がん細胞の減少に有用と思われる物質を抽出したり、バングラデシュで熱帯植物を中心に天然薬用資源の調査を行い、有用な物質を見つけたりしてきました。

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日本生薬学会ポスター発表会場にて、発表中の学生と

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な業種は→製薬、食品、化粧品
  • ●主な職種は→研究、開発、品質管理
  • ●業務の特徴は→研究
分野はどう活かされる?

「もの」(=化合物)を取り扱うことを基本として幅広い分野での活躍が期待されます。

先生から、ひとこと

自然に敬意を払い、自然に学ぶ姿勢を大切にしたい。

先生の学部・学科はどんなとこ

関東地区では数少ない国立大学薬学部の一つ。「研究力」を持つ「くすりの専門家」を育てます。

先生の研究に挑戦しよう

【テーマ例】
植物の抽出エキスを作り、分離精製して、有用な成分が取り出せないか調べる。

興味がわいたら~先生おすすめ本

ストックホルムへの廻り道 私の履歴書

大村智

ノーベル賞受賞者である大村先生の波乱万丈な半生を描いた書籍。エリートとは一線を画したそのユニークな生きざまに魅了されるだけでなく、研究内容についても紹介されており、天然物研究が多くの人を救っていることが理解できるだろう。 (日本経済新聞出版)


自然のなかに薬をさがす 千葉発の天然物研究小話

石橋正己

自然の中にくすりを探す研究の紹介。特に、千葉県産の材料としてウミウシ、海藻、土由来の微生物などを用いた研究の紹介をしている。「千葉学ブックレット 県土と県民の豊かな未来に向けて」というシリーズの中で書かれたもの。 (千葉日報社)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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