子ども学(子ども環境学)

幼少期のボール扱いのうまさが、将来もたらすもの~子供の運動能力の発達研究


渡邊將司 先生

茨城大学 教育学部 学校教育教員養成課程 教科教育コース 保健体育選修/教育学研究科 教育実践高度化専攻

どんなことを研究していますか?

発育期の子どもが身体活動を実践することで得られる健康上の恩恵には、たくさんの、かつ多面的な報告があります。例えば、身体活動が、肥満予防や体力向上につながり、健康に寄与することが明らかとなっています。また、身体活動は抑うつ傾向の改善、非行やドラッグなどの非社会的行動の抑止につながることが報告されています。ただしその恩恵や効果について、総合的な観点から評価することが必要と考えられます。

幼少期の運動スキルが、思春期、成人期にどう影響するのか

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私は子どもの発育発達学、成長学を専門にしています。特に「運動」に着目して研究しています。現在は、幼少時の子どもの頃の体力や運動のうまさ、運動習慣が、将来(思春期~成人期)の体力や運動習慣に、どのくらい影響しているのかを研究しています。

海外では、10歳前後の思春期のボール操作能力が、6~7年後の体力や運動習慣に好影響をもたらしていたといいます。また思春期のボールの操作能力は、小学校の低学年頃や幼少期のスキル獲得が関連しているのではないかと考えられます。幼少期は、思春期に影響し、さらに成人期の健康と関係しているのではないかと考え、研究を進めています。

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教育学部保健体育選修では、1年次のスキー実習(授業)を行います、写真は、長野県志賀高原。初めてスキーをした学生も最終日には一人で滑れるくらい上達します。

学生はどんなところに就職?

一般的な傾向は?
  • ●主な職種は→学校教員(小・中学校が多い)

先生の研究に挑戦しよう

【テーマ例】
日常やスポーツ中の身体活動量の測定(歩数、強度(METs)、消費エネルギー)

興味がわいたら~先生おすすめ本

子どものときの運動が一生の身体をつくる

宮下充正

子どもの時期にどのような運動をすることが大切かを書いている本だが、特に「幼いころからのスポーツ指導が決め手」という章が印象的だ。多くの子どもが将来の活躍を目指して、幼い頃からスポーツに取り組んでいるが、そのスポーツが、本当に自分に合っているかどうかはわからない。幼い頃には、遊びの要素を持ちながら、さまざまな運動に取り組むべきだということが書かれている。 (明和出版)


本コーナーは、中高生と、大学での学問・研究活動との間の橋渡しになれるよう、経済産業省の大学・産学連携、および内閣府/科学技術・イノベーション推進事務局の調査事業の成果を利用し、学校法人河合塾により、企画・制作・運営されています。

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