感情を理解する相棒ロボットを作ろう!
感情とは何なのか?
感情ってなんだろう……そんなことを思ったことはありませんか?
感情は私たちの中に確かにあるように感じるのに、何かといわれると説明が難しいかと思います。たくさんの研究者が感情は何かについて研究していますが、感情メカニズムはまだ完全には明らかになっていません。
ロボットの中に感情を作る
私の研究では、ロボットの中に感情を作ることで、感情のメカニズムの理解を目指すとともに、感情を持つロボットを作る試みをしています。このように作ることによってそのものの理解を目指す手法を構成論的アプローチといいます。
具体的な研究内容としては、深層学習を使った感情モデルを画面上の赤ちゃんAIの中に作って、赤ちゃんが徐々に感情を学習していく様子を再現したり、人がどんなものを見たら心臓がどきどきするのかを調べて、コンピューター上で再現したりといったことをしています。
ストレスを緩和するロボット
私がこのような研究をしているきっかけは、中学生時代に遡ります。
中学2年生頃、身近な人がストレスを原因とする病気にかかり、完治することはないといわれました。私にとって非常にショッキングな出来事で、それからその人のために何かできないだろうかと考え始めました。医療の道なども考えながら、実用化が早そうというイメージで、ストレスを緩和できるような相棒みたいなロボット、パートナーロボットを作ろう!と目標を定め、それに向けて高校、大学と進路を選んできました。
今取り組んでいる感情モデルも、パートナーロボットとして重要な要素です。これが私の軸になっていて、軸がぶれないということが研究者としての強みでもあります。
パートナーロボットを作りたいということで、大学時代にはロボコンサークルに所属して、ロボットを作成していました。ドリルなどを使って金属を削ったり、アクリル板を切ったりと加工技術を学びました。その後研究室で、人とインタラクションするロボットを研究し始めて、その活動の中で、感情のないロボットがそれを表現するというのはどういうことだろうという疑問に行き着き、今は感情を中心に研究を進めています。
◆主な業種
(1) コンピュータ、情報通信機器
(2) ソフトウエア、情報システム開発
(3) 自動車・機器
◆主な職種
(1) システムエンジニア
(2) 設計・開発
(3) 基礎・応用研究、先行開発
◆学んだことはどう生きる?
情報系・工学系なので、IT系企業や家電・自動車メーカーなど多岐にわたります。資料作成やプログラミングの知識を生かしている方が多いと思います。
私の大学は大学院大学なので、学部がありません。大学院生だけが通う場所です。皆が研究室に所属し、研究活動を中心に勉学に励んでいます。研究力は国内でもトップクラスといわれています。
感情の構成には内臓の感覚である内受容感覚と五感など身体外部の情報に対する感覚である外受容感覚が必要であり、それらの情報が統合されることで感情が形作られると考えられています。
あなたが感情を感じたとき、どんな刺激を受けたのか、どんな身体反応が出ているのか、どんな感情なのか記録してみましょう。可能ならば内受容感覚の情報として、apple watchなどを使って心拍を計測してみてください。多くのデータを収集し、各感情についてまとめてみてください。友人と比較してみるのもよいでしょう。
Q1.18才に戻ってもう一度大学に入るならば、学ぶ学問は? 今と同じ工学。でも、心理学や神経科学、語学もやりたい。 |
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Q2.一番聴いている音楽アーティストは? Aimerの『Re:I AM』。ガンダムユニコーンを彩る素敵な曲です。 |
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Q3.感動した/印象に残っている映画は? 『ヴァイオレットエヴァーガーデン』。感情の乏しい主人公が徐々に感情を知っていく様子は感情研究につながるものがあります。 |
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Q4.大学時代の部活・サークルは? ロボメカ工房というロボット作成しロボットコンテストに参加するサークルです。 |
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Q5.研究以外で、今一番楽しいこと、興味を持ってしていることは? リアル脱出ゲーム。謎を解くのが好きです。研究と一緒かもしれません。 |