世紀末芸術

高階秀爾

フランス19世紀末は、作家と画家の交流が盛んでした。本書の初版の刊行は今から60年以上前ですが、入門書としての価値を失っていません。印象派への反動から生まれた世紀末芸術は、フランス国内で自然に発生したのではなく、世界との同時代的なつながりを持った運動でした。

本書ではイギリスやベルギーなどとの関係も扱われています。また、皆さんもよく知るゴッホは、フランスで活躍しましたが、オランダ人です。文化に国境はないとよく言われますが、世紀末の芸術家たちは、現代に通じるようなグローバルな感性を備えていたのです。ぜひこの点に注目して、本書を読んでもらえればと思います。時代に先駆けた名著です。 (ちくま学芸文庫)

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