声の文化と文字の文化
ウォルター・J.オング
アフリカの多くの社会では植民地支配以降文字の使用が普及したが、それまでは文字に頼らず情報伝達や文化の伝承が行われてきた。こうした「声の文化」は、実は文字の発明以前はどの地域でも行われており、それ以降も多くの社会で重要な役割を果たしていた。本書は「声の文化」の再評価に大きな役割を果たした書籍で、情報伝達手段と文化の関係をスリリングに解き明かしている。急速なデジタル化の時代に生まれ育ち、新たな情報伝達手段を用いて新たな文化を創造していく現代の高校生にこそ、おすすめしたい。
(林正寛、糟谷啓介、桜井直文:訳/藤原書店)