エピゲノムと生命

太田邦史

DNAによる遺伝とそれを操るエピジェネティクスについて、最近の研究が明らかにしてきたことが書かれている。例えば、三毛猫はメスのみしかいないこと、例え全く同じ遺伝情報を持つもの同士でも異なる体毛色のパターンになることが知られているが、これは、エピジェネティクスの代表例である「X染色体の不活性化」で起きることなのだ。また、胎児や幼少期の環境や食習慣が成人期や次世代にまで影響を及ぼし得ることが、エピジェネティクスの考え方で説明できるようになってきたことなどから、分子生物学やエピジェネティクスの研究から得られた知識が様々な社会問題に有用であることが理解できる。具体的なタンパク質や酵素の名前や役割が登場し、高校性には難しいところもあるが、丁寧に読めば十分理解して、興味を持てるだろう。 (ブルーバックス)

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