大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史

苅谷剛彦

「階層と教育」というテーマは、イギリスやアメリカ、フランスなどの欧米先進諸国で一般的であったが、戦後の日本では世間の注目を集めなかった。現実には、子どもの社会経済的な家庭環境(出身階層)によって取得する学歴(教育達成)に格差は厳然と存在するにも関わらず、それは問題視されず、学歴取得をめぐる競争が大衆的規模で拡大した。そうした日本に固有の「大衆教育社会」が成立する謎に答えた著書。「階層と教育」という教育社会学の古典的テーマが簡潔に整理され、日本の学歴主義、学歴社会論の独自性に関する理解も助ける。2000年代以降に「格差社会」が叫ばれる以前の日本の教育社会について、踏まえておくべき戦後史像が提示されている。
(中公文庫)

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