失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選

フリードリヒ・デュレンマット

デュレンマットは、戦後のドイツ語圏スイス文学を代表する作家。彼は、現代人を脅かしているのは「もはや神でも正義でもなく、運命でもなくて、交通事故や設計ミスによるダムの決壊、注意散漫な実験助手が引き起こした原爆工場の爆発、調整を誤った人工孵化器」のような「故障」だと考える。そして現代が「故障の世界」であることを誰よりも痛感しているのは福島原発事故以後を生きる私たち日本人ではないだろうか。彼の作品で扱われるテーマには常に普遍性があり、時を越えて現実的な問題に立ち向かう際の一種の思考モデルとして機能している。本書は日本ではあまり知られていないスイス文学の入門書としてもうってつけ。神戸大学増本浩子先生が翻訳。 (増本浩子:訳/光文社古典新訳文庫)

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