地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

宇宙創成はじめの3分間

S.ワインバーグ

宇宙はビッグバンという火の玉宇宙から始まり、最初の3分間で、ヘリウム、リチウムなどの比較的軽い元素が合成され、物質の基礎が創られた――。ビッグバンからの最初の3分間で宇宙がどのように形成されてきたかをドラマチックに語る。著者は、自然界の4つの力の1つ=弱い力の相互作用を発見したノーベル賞学者。この本は、「ビッグバン宇宙論」を一躍有名にした古典的名著。読者の知的好奇心を高めてくれる。 (小尾信彌:訳/ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかる相対性理論 特殊相対理論の完全理解を目指して

竹内淳

20世紀の物理学に衝撃を与えたのは、アインシュタインの「相対性理論」だ。1905年に特殊相対性理論を発表し、10年後に一般相対性理論を発表したが、両方に共通し重要なのは、「時空間の概念を大きく変えた」こと。この本では特殊相対性理論を扱うが、実はその数学のレベルはそれほど高くなく、高校の数学と物理学の知識があれば、特殊相対性理論をほぼマスターできると書かれている。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

オーロラ!

片岡龍峰

オーロラの最新の研究が、初心者にもわかりやすく説明されている。オーロラは、地球大気と宇宙空間の狭間で起こる壮大な発光で、見ているだけでも美しく心惹かれるものだが、そのメカニズムはよくわかっていない。この本は、著者が実際に極地へ赴き、最先端の光学装置を用いて明らかしたオーロラに関する最新の知見や楽しさ、難しさを紹介する。オーロラ現象は、地上約50kmまでの成層圏よりさらに上空の希薄大気空間の性質と諸現象を研究する超高層物理学という学問の中心的課題でもある。オーロラや自然現象に興味がある人、極地観測に興味がある人におすすめ。 (岩波科学ライブラリー)



物理/素粒子、宇宙

宇宙と生命の起源 ビッグバンから人類誕生まで

嶺重慎、小久保英一郎

私たちの宇宙は137億年前、ビッグバンに始まったと言われる。原子ができ、銀河が生まれ、宇宙の大規模な構造が形成され、自ら光を発する恒星と惑星ができ、その1つとして太陽系が形成され、水の惑星=地球が生まれ、生命が誕生した――。この本はそれらが物理学の視点が説明されている。物理学が、宇宙や生命などあらゆる現象の根底にあることを実感することができる。 (岩波ジュニア新書)



数学

若き数学者への手紙

イアン・スチュアート

なぜ数学するのか。数学者はどのように考えるのか。著名な応用数学者である著者が、数学の道を志す少女にあてた手紙の中で、「数学の学び方」「コンピュータですべてが解ける?」など、数学者と数学をめぐる素朴な疑問に答える。著者が幼い頃からどのように数学を学んできたか、数学者が作られていく過程、数学者の仕事を知ることができる。 (冨永星:訳/ちくま学芸文庫)



数学

カオスとフラクタル

山口昌哉

カオスとは、ギリシャ語で混沌という意味で、自然の中の複雑な現象を解く数学のこと。例えば竜巻のように、最初の動きがわかってもその後のでたらめな動きから生じる数的誤差により予測できないような複雑な様子を示す現象を扱う。フラクタルとは、やはり複雑な自然の形象を幾何学で表したもの。図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。身近な例では、ロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になったものや、リアス式海岸のような自然の複雑な形象がある。カオスとフラクタルは、身近で美しい現象であり、物理学、数学においてもたいへん面白い話題だが、この本はその一般向けの解説書。 (ちくま学芸文庫)



地球科学

地球のしくみを理解する 広島大学理学部地球惑星システム学科へようこそ

広島大学理学部地球惑星システム学科編

広島大学理学部地球惑星システム学科は、「地球」の表層や内部で起こっている自然現象を、物理・化学・生物・地学の諸過程が複雑に絡み合ったシステムと捉えた研究をしている。対象は地震、断層、造山運動、風化、マントル対流等。この本は、同大学地球惑星システム学科編として、地球惑星科学に興味を持つ高校生や一般に向けて、同学科の教員がどういった研究を行っているかを紹介する。執筆は、同学科の地球惑星物質学、地球惑星化学、地球惑星物理学の3グループが、分担している。ちなみにカリキュラムは、基礎科目から専門科目へと段階的に体型化されているので、高校時代に地学を学習していなくても大丈夫とのこと。 (広島大学出版会)



物理/素粒子、宇宙

プリゴジンの考えてきたこと

北原和夫

時間はなぜ未来に流れるのかを突き詰めた科学者プリゴジン。非平衡の研究でノーベル賞を受賞したプリゴジンについて、その研究内容と人となりを30年指導を受けてきた著者が描く。高校の化学の知識で読み切れる。 (岩波科学ライブラリー)



不変量と対称性 現代数学のこころ

今井淳、中村博昭、寺尾宏明

上級の発想に触れる、数学エッセイ。本書の解説にもあるように、「より高い視点から視野を広げて見渡し普遍的なものを抽出して物事の解決をはかるという数学に典型的な発想法」を味わうことができると思う。代数方程式のガロア理論、2次元トポロジー、結び目理論などを紹介。高校生には難しい箇所もあるが、数学全般の入門書となりえるだろう。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

新装版 マックスウェルの悪魔

都築卓司

「空気はなぜ雪のように地上につもらないのか?」これに対し、「空気は雪よりも軽いから」「落ちる途中で衝突して再び上っているから」等、様々な回答が思いつくだろう。答えはぜひ読んで欲しい。本書タイトル「マックスウェルの悪魔」は、混ざってしまった水と酒とをもとの水と酒とに分けてくれる小人として登場する。さらに彼らはエネルギー源のない発電所を稼働させ、動力のない車を動かす。そんな小人の存在の可能性に気づかされる本書。高校物理で学ぶ熱とエネルギーの正体を、分かりやすく、しかし簡単にしすぎず解説した良書。40年以上前、1970年に初版が出たが、最後の章で熱力学的観点から我々が現在暮らす2000年代の社会の予測をしており、その予測がほとんど当たっているのにも驚かされる。 (ブルーバックス)



地球科学

図解・プレートテクトニクス入門

木村学、大木勇人

プレートとは、地球の表面を覆う岩盤層のことで、地殻とマントルの最上部を合わせた部分を指す。プレートには、大陸プレートと海洋プレートがある。海洋プレートは、海洋山脈(海嶺)と海盆、海溝などでできている。プレートテクニクスは、この海洋プレートが海溝に沈み込むことによる重みで移動し、その力がマントル乗って互いに動きについての理論だ。この本は、現在の世界の大陸が分断・移動によってできたとする大陸移動説とプレートテクニクスとの違いから説き起こし、地震、火山ができるしくみ、高い山ができるしくみ、深い海底ができるしくみまで、地球のからくりなどを解き明かす。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

寺田寅彦随筆集 第1巻 

寺田寅彦

寺田寅彦は明治・大正時代の日本の物理学者、随筆家、俳人であり、夏目漱石門下生として知られる。「天災は忘れた頃にやってくる」は寅彦の言葉といわれる。自然科学者でありながら、科学と文学を調和させた随筆を多く残していて、この本も100篇以上の随筆を編み、5巻まで出ている。インターネットの電子図書館、青空文庫でも無料で読める。100年前の随筆だが、「物理学者」という人たちはどのような考え方をしていたのかということがわかる。その間にどれだけ科学が進歩したのか、していないのかということを読みとることも楽しい。 (岩波文庫)



物理/素粒子、宇宙

太陽と地球のふしぎな関係 絶対君主と無力なしもべ

上出洋介

宇宙天気予報というものがある。日本では、1988年に情報提供が開始され、2004年以降は、公式ウェブサイト上で公表されている。晴れ、雨、曇りなどを予想する普通の天気予報と異なり、太陽風や磁気嵐などの状況を把握し、それによる影響を予測するものだ。この本は、「宇宙天気」すなわち黒点に代表される太陽活動増減がもたらすオーロラなど多様な地球への影響を紹介。太陽が持つ圧倒的な地球への影響力を語ってくれる。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

物理の散歩道

ロゲルギスト

著者名ロゲルギストといっても、外国人ではない。議論好きな日本の物理学者7人が語り合う時のグループ名。紙風船の謎、混雑する電車内、ミルクの渦など、日常のありふれた風景や現象に対して物理的に考え、議論した内容をエッセイに。物理の考え方がよく書かれている。題材は高校生にもわかるもので、文章もわかりやすい。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

地磁気逆転X年

綱川秀夫

地磁気は太陽風のバリアとなって電波障害を食い止めている。地磁気がないとスマホもできない。そんな地磁気は、地球の歴史を紐解く上で重要だ。地磁気がなければ地球の大気は太陽風で剥ぎ取られ、現在の火星のように不毛な惑星になっていたかも知れない。地磁気を研究している大学の研究室を高校生が訪問し、率直な疑問を投げかける設定で書かれているため、とても読みやすい。本の主人公になったつもりで読んでみて、面白さを感じてほしい。 (岩波ジュニア新書)



物理/素粒子、宇宙

すごい実験 高校生にもわかる素粒子物理の最前線

多田将

茨城県東海村から、500キロ離れた岐阜県のスーパーカミオカンデに向けてニュートリノを撃ち込む。この物理学史上最大規模のすごい実験を「T2K」という。スーパーカミオカンデとは、小柴昌俊博士がノーベル賞を受賞したニュートリノ実験施設、カミオカンデをさらにバージョンアップした施設。この本は、日本が世界に誇るニュートリノの実験について、高校での授業をもとにわかりやすく解説している。見学できる機会も少なく、何をやっているかわからない、この大きな施設で行われている実験内容を身近な話題から説明するなど、比較的親しみやすい内容となっており、優れている。 (イースト・プレス)



地震・プレート・陸と海 地学入門

深尾良夫

高校で習う地学は、地球科学の略称だ。つまり地球を研究対象とする自然科学。この本は、地球科学の中でも比較的浅い領域に対象を絞って、地震学に基づく地球表層のプレートの振る舞いをわかりやすく紹介している。専門的にいうと、固体地球惑星物理学の手法として、地震観測と地震波速度解析から得られる知見をわかりやすくまとめている。地震によって地球内部を知る方法は、胎児の診断を超音波エコー法で行うのとほぼ同じという。地球内部の浅い領域は人間の生活とも密接に関連し、読者も自分の問題として読むことができる。 (岩波ジュニア新書)



地球科学

手足を持った魚たち 脊椎動物の上陸戦略

ジェニファ・クラック

海で誕生した生物は、海や河川・湖などの水中で進化してきた。そのうち、植物の一部が上陸する。少し遅れて動物が上陸する。脊椎動物の上陸は、3億6000万年前のデボン紀のころという。この本は、生物の上陸という生物進化史上の重要事件の謎に、化石の研究を通じて迫っていく様子が描かれ興味深い。講談社現代新書からは、「生命の歴史シリーズ」として、『カンブリア紀の怪物たち』と『失われた化石記録―光合成の謎を解く』が出ていて、本書はシリーズ3冊目。 (松井孝典:監修、真鍋真、池田比佐子:訳/講談社現代新書)



数学

数学でみた生命と進化 生き残りゲームの勝者たち

カール・シグムンド

この本は生物学に関する数学の書である。高校で学ぶ数学以外の科目の中で、数学が登場するのは物理ぐらいだ。そのため、一見、数学と生物学とは無縁に感じるが、生物学においても数学的な思考が重要であることがわかる。本書には数理生物学の代表的なトピックスがたくさん書かれており、数理生物学を概観することができる。数理生物学の中でも、特に著者の専門分野である進化ゲーム理論と言われる分野に焦点が当てられている。生命を数学で理解することの魅力を感じてほしい。また、著者は数学の分野で学位を取り、数学科で生物学の理論的な研究を行ってきた人。そのことからも数学と生物学とは無縁ではないことがわかると思う。 (富田勝:訳/ブルーバックス)



地球科学

日本列島の誕生

平朝彦

日本列島の成り立ちの謎について、大きな地球観で解き明かす内容となっている。それは深海での化石の研究とプレートテクトニクス研究に基いており、読み応えがある。また層位・古生物学という学問に深く関わる地層や化石とダイレクトに関係する内容になっている。 (岩波新書)


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