地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

物理/素粒子、宇宙

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来

宮原ひろ子

著者は太陽物理学、宇宙線物理学、宇宙気候学が専門。宇宙気候学とは、地球の気候変動に対する宇宙現象の影響を研究対象とした学問のことで、この本はその学問に立脚し、地球気候の長期変動と太陽活動との関係をていねいに書いている。太陽活動と地球環境との関係は簡単に紐付けできないが、その現状認識を知る良書のひとつ。 (DOJIN選書)



トムキンスの冒険

G.ガモフ

ガモフはロシア生まれのアメリカの理論物理学者。ビッグバンの提唱者として有名だが、難解な物理理論をわかりやすく解説する啓蒙書を多く著している。「トムキンスの冒険」は不思議の国、原子の国などでくりひろげる奇想天外な冒険譚。ある日トムキンスが列車の旅で着いた駅は、のろい町だった。実はアインシュタインの相対性理論によると、光速に近い速度で運動すると時間はいくらでも長くなる(つまり時間がのろくなる)ことが知られているのだ…。量子論勃興のころの躍動的な雰囲気を感じ取れる。この本以外でも『宇宙=1.2.3…無限大』『太陽と月と地球と』等々がある。こんなに面白いのに、なぜか廉価本が出ていない。図書館で借りて読むべし。 (伏見康治、鎮目恭夫、市井三郎、林一:訳/白揚社)



かたち 自然が創り出す美しいパターン

フィリップ・ボール

規則正しいハチの巣、動物の体の模様や化学反応が作り出す模様――。自然のパターンの秩序と規則性はどのようにして現れるのか、どのようにして混沌から秩序が現れるのか、自然にみられる形はどのように作られるのか。数式を用いずに、わかりやすく簡潔に説明している。それらを科学的に解明するためにモデリングを通して、数式やルール作りが必要であり、異なる現象でも共通の形成メカニズムが背景にありうることが示唆されている。また数学を用いて複雑現象を解明していくことが必要とされていることがわかる。 (林大:訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)



物理/素粒子、宇宙

物理学とは何だろうか〈上〉

朝永振一郎

天体運行に関するケプラーの模索と発見、科学的手法の開拓者・ガリレオの実験と論証、ニュートンの打ち立てた万有引力の法則など16世紀から現代に至るまで、物理学という学問が、いつ、誰が、どのようにして考え出されたものなのか。日本人二人目のノーベル賞受賞学者、朝永振一郎博士の記した物理学の入門書。「物理学とは何だろうか」ということを文章全体で体現していて、名文家でもあった同博士の論理展開とは何か。文章を書くとは何かということを考えさせられる。完成前に亡くなり遺稿となった下巻も合わせて読むことを勧めたい。 (岩波新書)



数学

数学をつくった人びと

E.T.ベル

数学界を華々しく彩った古今の代表的数学者たちの生涯を描く。微積分発明の裏でのニュートンとそのライバルの先取権争い。ドイツの数学の王、ガウスの登場。貧困に苦しんだノルウエーの天才数学者アーベルや、決闘で若くして死んだ天才ガロア。19世紀末になると、数学界は、ポアンカレやヒルベルトという数理科学の天才や、異才カントールの無限集合論が登場する。数学は固定化されたものではなく、今この瞬間にも新たに生みだされていることを感じさせてくれる。1巻から3巻まで。 (田中勇、銀林浩:訳/ハヤカワ文庫)



地球科学

日本列島の誕生

平朝彦

日本列島の成り立ちの謎について、大きな地球観で解き明かす内容となっている。それは深海での化石の研究とプレートテクトニクス研究に基いており、読み応えがある。また層位・古生物学という学問に深く関わる地層や化石とダイレクトに関係する内容になっている。 (岩波新書)



数学

計算しない数学

根上生也

「数学=計算」という概念を覆してくれる本。身近な所にある数学を「計算」せずに解く解法のひらめきに触れられる。また、「離散数学」という大学で初めて出会う、組合せパズルのような数学も紹介している。 (青春新書)



数学

数学でみた生命と進化 生き残りゲームの勝者たち

カール・シグムンド

この本は生物学に関する数学の書である。高校で学ぶ数学以外の科目の中で、数学が登場するのは物理ぐらいだ。そのため、一見、数学と生物学とは無縁に感じるが、生物学においても数学的な思考が重要であることがわかる。本書には数理生物学の代表的なトピックスがたくさん書かれており、数理生物学を概観することができる。数理生物学の中でも、特に著者の専門分野である進化ゲーム理論と言われる分野に焦点が当てられている。生命を数学で理解することの魅力を感じてほしい。また、著者は数学の分野で学位を取り、数学科で生物学の理論的な研究を行ってきた人。そのことからも数学と生物学とは無縁ではないことがわかると思う。 (富田勝:訳/ブルーバックス)



地球科学

図解入門 地球史がよくわかる本

川上紳一、東條文治

例えば恐竜絶滅の背景に、天体衝突説などの地球規模の環境の激変があったように、その環境変動が生物の新たな進化の原動力となっている。このことを地球の生命の共進化と呼び、それは最近の研究動向のキーワードになっている。この本は、地球史の大事件に着目して、地球史研究の大事件を紹介し、「生命の星」誕生から進化の謎をわかりやすく図解する。これを読むことで地球生命の不思議を感じることは、高校生のその後の人生観にも影響を与えると思われる。 (秀和システム)



物理/素粒子、宇宙

物理法則はいかにして発見されたか

R.P.ファインマン

高校まで学んできた物理学(古典物理学)の考え方とは全く違う、20世紀以降の物理学(=物質世界観)に触れることができる。重力法則、量子論の波の考え方、物理法則の対称性など、ノーベル物理学賞者であるファインマン独特の楽しい語り口で幅広く物理に触れられる。難しい章もあるが、要点をフォローするだけでも科学的視野が広がる。 (江沢洋:訳/岩波現代文庫)



地球科学

貝が語る縄文海進 南関東、+2℃の世界 増補版

松島義章

縄文海進とは、約1万年前(縄文時代前期)、最終氷期のあと気候が温暖化に転じ、現在の海面より約2~3メートル高くなったことを指す。その証拠に、当時の海岸線にあたる場所に多くの貝塚が存在することが知られる。この本では、アサリやハマグリなど身近な貝類について、過去の気候や地形、また地層のでき方や貝塚からの出土状況など、古生物学の研究内容がさまざまの情報を統合しつつ、具体的に解説されている。また、化石だけを扱うのではなく、地層、年代、環境等、まわりの環境との関係を考えながら研究がなされていることを紹介している。 (有隣新書)



物理/素粒子、宇宙

銀河系惑星学の挑戦 地球外生命の可能性をさぐる

松井孝典

太陽系の外の惑星、すなわち系外惑星について最新の研究を紹介している。1995年の系外惑星の発見以降、惑星科学のフィールドは、太陽系の外へと大きく変化し続けている。著者は日本の惑星科学の第一人者。惑星科学は、惑星について研究する学問だ。それは地球科学と天文学をつなぐ学問だが、天文学が中高では地学分野に、大学では物理学の一分野として位置づけられているのに対し、惑星科学は中・高・大学のいずれでも地学=地球科学の一分野とされている。それは惑星科学が地球科学を他惑星研究に応用し、地球外生命の可能性を探るという大きな目的を持っているからなのだ。 (NHK出版新書)



不変量と対称性 現代数学のこころ

今井淳、中村博昭、寺尾宏明

上級の発想に触れる、数学エッセイ。本書の解説にもあるように、「より高い視点から視野を広げて見渡し普遍的なものを抽出して物事の解決をはかるという数学に典型的な発想法」を味わうことができると思う。代数方程式のガロア理論、2次元トポロジー、結び目理論などを紹介。高校生には難しい箇所もあるが、数学全般の入門書となりえるだろう。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

宇宙と生命の起源 ビッグバンから人類誕生まで

嶺重慎、小久保英一郎

私たちの宇宙は137億年前、ビッグバンに始まったと言われる。原子ができ、銀河が生まれ、宇宙の大規模な構造が形成され、自ら光を発する恒星と惑星ができ、その1つとして太陽系が形成され、水の惑星=地球が生まれ、生命が誕生した――。この本はそれらが物理学の視点が説明されている。物理学が、宇宙や生命などあらゆる現象の根底にあることを実感することができる。 (岩波ジュニア新書)



博士の愛した数式 

小川洋子

交通事故で80分しか記憶を維持できなくなった元数学者と家政婦の交流を描く、ベストセラーになった小説だが、数学好きなら、小説中に出てくるオイラーの公式や完全数の話を巧みに織り交ぜたところにも注目。オイラーの公式とは、指数関数と三角関数の間に成り立つ公式、 完全数というのは、6=3+2+1、28=14+7+4+2+1などのように、その数の約数の総和が自分自身に等しくなる数のことで、28の次の完全数は496。数学や数式の美しさが散りばめられている。 (新潮文庫)



地震・プレート・陸と海 地学入門

深尾良夫

高校で習う地学は、地球科学の略称だ。つまり地球を研究対象とする自然科学。この本は、地球科学の中でも比較的浅い領域に対象を絞って、地震学に基づく地球表層のプレートの振る舞いをわかりやすく紹介している。専門的にいうと、固体地球惑星物理学の手法として、地震観測と地震波速度解析から得られる知見をわかりやすくまとめている。地震によって地球内部を知る方法は、胎児の診断を超音波エコー法で行うのとほぼ同じという。地球内部の浅い領域は人間の生活とも密接に関連し、読者も自分の問題として読むことができる。 (岩波ジュニア新書)



数学

天地明察

冲方丁

4代将軍家綱の治世の江戸時代、碁打ちの名門に生まれた渋川春海が日本独自の暦に挑む物語。数学や、その応用としての天文観測、暦の作成に情熱を傾ける人々の物語がドラマチックに描かれており、江戸時代に日本に高度の数学があったことがわかる。また登場人物の一人である関孝和は、行列式などを考えて代数方程式の理論を建設した人で、日本における代数学の先駆者とも言える。岡田准一主演で映画化もされた。漫画家の槇えびし画でコミック化もしている。 (角川文庫)



物理/素粒子、宇宙

量子力学はミステリー

山田克哉

古典力学とは違う量子力学の世界、つまり不思議な極微の世界を、数式をほとんど使わずに解説している。「誰も見ていないとき、月は存在しないかもしれない」といった、思わず知りたくなるテーマについて解説する中で、量子力学について知らない人でも興味を持って読み進められる。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



地球科学

できたての地球 生命誕生の条件

廣瀬敬

地球は太陽から3番目に近い太陽系の惑星の1つであり、人類など多くの生命体が生存する天体だ。表面に水、空気中に酸素を大量に蓄え、多様な生物が生存することを特徴とする惑星である。この本は、地球がどうのように生まれたのか、地球の内部がどうなっているのか知ることができる。特に問題は、水も炭素もなかったできたての地球に、なぜ有機生命体が誕生したのかという謎だ。初期地球に水がなかったとすれば水はどこから地球に運ばれてきたのか?その謎に迫っていく。 (岩波科学ライブラリー)



物理/素粒子、宇宙

新装版 マックスウェルの悪魔

都築卓司

「空気はなぜ雪のように地上につもらないのか?」これに対し、「空気は雪よりも軽いから」「落ちる途中で衝突して再び上っているから」等、様々な回答が思いつくだろう。答えはぜひ読んで欲しい。本書タイトル「マックスウェルの悪魔」は、混ざってしまった水と酒とをもとの水と酒とに分けてくれる小人として登場する。さらに彼らはエネルギー源のない発電所を稼働させ、動力のない車を動かす。そんな小人の存在の可能性に気づかされる本書。高校物理で学ぶ熱とエネルギーの正体を、分かりやすく、しかし簡単にしすぎず解説した良書。40年以上前、1970年に初版が出たが、最後の章で熱力学的観点から我々が現在暮らす2000年代の社会の予測をしており、その予測がほとんど当たっているのにも驚かされる。 (ブルーバックス)


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