地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

数学

フェルマーの最終定理 

サイモン・シン

フェルマーは、17世紀のフランスの数学者。「数論の父」と呼ばれる。数論とは数、特に整数の性質について研究する数学のことで、代数学の一分野。職業は弁護士、数学は余暇に行ったが、晩年、本の余白に書き残したという逸話で有名なのがフェルマーの定理だ。長らく証明も反証もなされなかったが、360年後、アンドリュー・ワイルズによって完全に証明され、ワイルズの定理あるいはフェルマー・ワイルズの定理とも呼ばれるようになった。この本は、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、数学ノンフィクション。数学の分野の醍醐味だけでなく、学問的な難問に挑戦してきた数学者のドラマを通して学問の醍醐味を味わえる。 (青木薫:訳/新潮文庫)



物理/素粒子、宇宙

サイエンス入門 1

リチャード・A.ムラー

著者はカリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。科学的な判断に必須の知識を初学者向けに解説する。核・エネルギー・放射能・地球温暖化等の現代社会のリアルな課題を真正面からとりあげ、その原理から応用技術・問題点・将来性までを説く。原発の問題や地球温暖化の問題で、利権に絡んだ学者や業界団体、マスコミや政治家に騙されてしまう問題点を挙げる一方、原子力だけ『リスクゼロ』が求められるが、どの技術もリスクが伴うことを理解すべきと指摘する。基礎的な物理学の知識があれば社会のさまざまな問題が解決できることを知ることできる。NHK Eテレ『バークレー白熱教室』で放送された著者の講義録。続編の第2巻も出ている。 (二階堂行彦:訳/楽工社)



物理/素粒子、宇宙

星のかけらを採りにいく 宇宙塵と小惑星探査

矢野創

2010年、日本の小惑星探査機「はやぶさ」は地球帰還を果たした。前人未到の試みだったのは、地球重力圏外にある小惑星イトカワに着陸して、宇宙塵、つまりその星のかけらを人類で初めて持ち帰ったことだ。著者はその試料採取任務の責任者で宇宙塵の専門家。この本は、宇宙塵を分析することで地球外物質が発見されれば、それは太陽系や生命の誕生の謎を解明する手がかりになる大きな可能性があることを伝える。宇宙塵研究、さらには宇宙探査の現場から新たな挑戦を語る。 (岩波ジュニア新書)



数学

ビューティフル・マインド

実在の天才数学者ジョン・ナッシュの人生を描いた映画作品。ゲーム理論の研究で晩年の1994年にノーベル経済学賞を受賞しているが、専門は微分幾何学。映画は、その彼の若き頃、第2次大戦下のアメリカを舞台に、統合失調症に苦しみながら研究する様を描く。アカデミー賞作品賞などを受賞した名作。実話とは違う部分もあるが、研究者の雰囲気がわかる映画である。 (ロン・ハワード:監督 ラッセル・クロウ:主演)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるマクスウェル方程式 電磁気を学びたい人、学びはじめた人へ

竹内淳

高校物理で習うように、電磁場は、電場(電界)と磁場(磁界)の総称だ。電場と磁場は時間的に変化する場合には、互いに誘起しあいながら変化していくので、まとめてそう呼ばれる。マクスウェルの方程式とは、この電磁場のふるまいを記述する古典電磁気学の基礎方程式のこと。この本は数式を必要最小限にとどめ、高校数学でわかるようになっている。電気系の大学に進学した人の中には、「高校物理で学習した電磁気学のさまざまな法則が、大学ではマクスウェル方程式という4つの方程式に集約されることに感動を覚えた」という意見も多い。高校で学習した物理や数学の内容で、より高度に洗練される過程を垣間見られることがよいかも知れない。 (ブルーバックス)



地球科学

絵でわかるプレートテクトニクス 地球進化の謎に挑む

是永淳

海洋プレートが高温のマントルに沈み巨大地震や大陸の大移動を引き起こす。地球のダイナミズムを解き明かす「プレートテクトニクス」を、豊富な図とイラストでわかりやすく解説する。著者は、今最も活発に活躍している地球科学者の一人。自身のプレートテクトニクスに関する研究に裏打ちされた内容を、初心者にもわかりやすく説明している。地球の振る舞いがまだまだ謎に満ちていて、今後の地球科学の発展がその解明の鍵となることがよくわかる。 (講談社)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるボルツマンの原理 熱力学と統計力学を理解しよう

竹内淳

「熱力学」と「統計物理学」を結ぶ「ボルツマンの原理」が数式を使って理解でき、「乱雑さ」ともいわれるエントロピーの意味までわかるようになる良書である。途中で高校以上の数学も出てくるがわかりやすく解説されているので心配はいらない。初めの方で、ワットジュール、カルノー、クラウジウスなど「熱力学」と「統計物理学」で登場する偉大な科学者たちの業績と理論が読み物として面白く書かれている。ここを過ぎると、ボイル・シャルルの法則、熱力学の第1・第2法則、気体分子運動論など高校物理でおなじみの理論から始まり、大学レベルの「熱力学」と「統計物理学」の内容までを数式を使いながら解説し、目標である「ボルツマンの原理」の理解へと読者を導いてくれる。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

太陽と地球のふしぎな関係 絶対君主と無力なしもべ

上出洋介

宇宙天気予報というものがある。日本では、1988年に情報提供が開始され、2004年以降は、公式ウェブサイト上で公表されている。晴れ、雨、曇りなどを予想する普通の天気予報と異なり、太陽風や磁気嵐などの状況を把握し、それによる影響を予測するものだ。この本は、「宇宙天気」すなわち黒点に代表される太陽活動増減がもたらすオーロラなど多様な地球への影響を紹介。太陽が持つ圧倒的な地球への影響力を語ってくれる。 (ブルーバックス)



地球科学

図解・プレートテクトニクス入門

木村学、大木勇人

プレートとは、地球の表面を覆う岩盤層のことで、地殻とマントルの最上部を合わせた部分を指す。プレートには、大陸プレートと海洋プレートがある。海洋プレートは、海洋山脈(海嶺)と海盆、海溝などでできている。プレートテクニクスは、この海洋プレートが海溝に沈み込むことによる重みで移動し、その力がマントル乗って互いに動きについての理論だ。この本は、現在の世界の大陸が分断・移動によってできたとする大陸移動説とプレートテクニクスとの違いから説き起こし、地震、火山ができるしくみ、高い山ができるしくみ、深い海底ができるしくみまで、地球のからくりなどを解き明かす。 (ブルーバックス)



数学

天地明察

冲方丁

4代将軍家綱の治世の江戸時代、碁打ちの名門に生まれた渋川春海が日本独自の暦に挑む物語。数学や、その応用としての天文観測、暦の作成に情熱を傾ける人々の物語がドラマチックに描かれており、江戸時代に日本に高度の数学があったことがわかる。また登場人物の一人である関孝和は、行列式などを考えて代数方程式の理論を建設した人で、日本における代数学の先駆者とも言える。岡田准一主演で映画化もされた。漫画家の槇えびし画でコミック化もしている。 (角川文庫)



物理/素粒子、宇宙

部分と全体

W.K.ハイゼンベルク

量子力学の創始者ハイゼンベルグの自叙伝。ドイツの理論物理学者ハイゼンベルグは、「位置と運動量を同時に決められない」という有名な不確定性原理を発見し、波動関数を導いたシュレーディンガーともに量子力学の基礎を築いた。アインシュタインは物理現象が確率でしか決められないという量子力学を嫌い、「神はサイコロを振らない」という有名な言葉を残し、量子力学と決別した。こうした20世紀初頭の物理学の巨星たち、ボーア、アインシュタインらとの対話によって20世紀の巨大科学が開花していく様に圧倒される。現代物理学を知るものによる現代のプラトンの対話篇と言える。 (山崎和夫:訳/みすず書房)



数学

非線形科学 同期する世界

蔵本由紀

何万匹ものホタルが同時に明滅するのは、「同期(シンクロ)」現象によるという。著者の蔵本由紀先生(京都大学名誉教授)は、シンクロ現象の第一人者だ。胸の鼓動、呼吸、歩行、鳥の羽ばたき、虫の鳴き声。リズムのあるところに同期がある。同期現象が科学の対象としてなりにくかったのは、「全体が部分の総和としては理解できない」非線形現象だからだ。この本は、従来からの線形代数では解けないような自然や社会の複雑な現象を、非線形科学の方法によって説明していく。パターン形成、リズムと同期やカオスなどの応用数学のトピックがわかりやすく書かれている。 (集英社新書)



物理/素粒子、宇宙

これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

ウォルター・ルーウィン

X線宇宙物理学が専門の、マサチューセッツ工科大学の教授による文字通り体を張った数々の実験を交えた物理学の名講義を本にしたもの。エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕いてみせる。著者の熱意がひしひしと伝わってくる読み物で、きっと物理学が好きになるだろう。 (東江一紀:訳/文藝春秋)



物理/素粒子、宇宙

ヒッグスを超えて ポスト標準理論の素粒子物理学

日経サイエンス編集部:編

この本では、標準理論という宇宙物理研究ではほぼ完成したと考えられていた素粒子の理論を超える新しい物理学の研究が、具体的に紹介されている。標準理論とは、物質が創生される宇宙の初期、重力、電磁力、原子核に働く強い力、弱い力という自然界の4つの力を統一的に理解しようと、1970年代以降素粒子物理学で広まったもっとも有力な理論のことだ。2013年、物質に質量を与える謎の粒子と言われていたヒッグス粒子が発見され、大きな話題を呼んだ。ヒッグス粒子は標準理論の中で発見が遅れ、唯一実験的に見つかっていない粒子だったのだ。それが発見されることで、宇宙物理は新たな局面に入ったと言われる。まさに最先端の話題が満載だ。 (別冊日経サイエンス)



数学

数学を使わない数学の講義

小室直樹

数学の視点や方法論について、様々な角度から説明した本。高度な内容でありながら、わかりやすく、数学的アプローチという観点から見ても面白い。同著者による『数学嫌いな人のための数学―数学原論』(東洋経済新報社)も合わせて読むとよい。 (ワック出版)



地球科学

地球のしくみを理解する 広島大学理学部地球惑星システム学科へようこそ

広島大学理学部地球惑星システム学科編

広島大学理学部地球惑星システム学科は、「地球」の表層や内部で起こっている自然現象を、物理・化学・生物・地学の諸過程が複雑に絡み合ったシステムと捉えた研究をしている。対象は地震、断層、造山運動、風化、マントル対流等。この本は、同大学地球惑星システム学科編として、地球惑星科学に興味を持つ高校生や一般に向けて、同学科の教員がどういった研究を行っているかを紹介する。執筆は、同学科の地球惑星物質学、地球惑星化学、地球惑星物理学の3グループが、分担している。ちなみにカリキュラムは、基礎科目から専門科目へと段階的に体型化されているので、高校時代に地学を学習していなくても大丈夫とのこと。 (広島大学出版会)



地球科学

手足を持った魚たち 脊椎動物の上陸戦略

ジェニファ・クラック

海で誕生した生物は、海や河川・湖などの水中で進化してきた。そのうち、植物の一部が上陸する。少し遅れて動物が上陸する。脊椎動物の上陸は、3億6000万年前のデボン紀のころという。この本は、生物の上陸という生物進化史上の重要事件の謎に、化石の研究を通じて迫っていく様子が描かれ興味深い。講談社現代新書からは、「生命の歴史シリーズ」として、『カンブリア紀の怪物たち』と『失われた化石記録―光合成の謎を解く』が出ていて、本書はシリーズ3冊目。 (松井孝典:監修、真鍋真、池田比佐子:訳/講談社現代新書)



物理/素粒子、宇宙

量子力学と私

朝永振一郎

日本で最初のノーベル賞学者・湯川秀樹博士と2番目の受賞者・朝永振一郎博士は、第三高等学校(京都大学)時代、机を並べて量子力学を勉強していたという。二人の好敵手の性格は対照的。この本の著者、朝永博士は「(湯川さんと違い)私は大学生のときとても悪い健康状態だったこともあり、また呑ん気なものだから、量子力学がどんなものかは全然知らなかった」と書いている。この本は著者のウイットに富んだ逸話に混じって、困難を極めた新しい学問への取り組み、量子力学の歴史、ノーベル賞受賞理由のくりこみ理論をやさしく語る。原子分子の性質を理解するために必要な、量子力学という現在の最も基本的な概念をわかりやすく解説している。 (岩波文庫)



地球科学

日本列島の誕生

平朝彦

日本列島の成り立ちの謎について、大きな地球観で解き明かす内容となっている。それは深海での化石の研究とプレートテクトニクス研究に基いており、読み応えがある。また層位・古生物学という学問に深く関わる地層や化石とダイレクトに関係する内容になっている。 (岩波新書)



物理/素粒子、宇宙

ロウソクの科学

ファラデー

ろうそくが燃えるという現象は、身近な現象だが、さまざまな物理・化学のエッセンスが濃縮されている。著者のマイケル・ファラデーは、19世紀の化学者・物理学者。電磁気学および電気化学の分野での貢献で知られている。この本は、ファラデーの講演記録。物理学と化学の分野で偉大な足跡を残した大科学者ファラデーの著名な科学啓蒙書であり、彼の科学との向き合い方がよくわかる書だ。 (竹内敬人:訳/岩波文庫)


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