地球・宇宙の謎って、物理・数学に挑むって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

地球科学

できたての地球 生命誕生の条件

廣瀬敬

地球は太陽から3番目に近い太陽系の惑星の1つであり、人類など多くの生命体が生存する天体だ。表面に水、空気中に酸素を大量に蓄え、多様な生物が生存することを特徴とする惑星である。この本は、地球がどうのように生まれたのか、地球の内部がどうなっているのか知ることができる。特に問題は、水も炭素もなかったできたての地球に、なぜ有機生命体が誕生したのかという謎だ。初期地球に水がなかったとすれば水はどこから地球に運ばれてきたのか?その謎に迫っていく。 (岩波科学ライブラリー)



数学

非線形科学 同期する世界

蔵本由紀

何万匹ものホタルが同時に明滅するのは、「同期(シンクロ)」現象によるという。著者の蔵本由紀先生(京都大学名誉教授)は、シンクロ現象の第一人者だ。胸の鼓動、呼吸、歩行、鳥の羽ばたき、虫の鳴き声。リズムのあるところに同期がある。同期現象が科学の対象としてなりにくかったのは、「全体が部分の総和としては理解できない」非線形現象だからだ。この本は、従来からの線形代数では解けないような自然や社会の複雑な現象を、非線形科学の方法によって説明していく。パターン形成、リズムと同期やカオスなどの応用数学のトピックがわかりやすく書かれている。 (集英社新書)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるマクスウェル方程式 電磁気を学びたい人、学びはじめた人へ

竹内淳

高校物理で習うように、電磁場は、電場(電界)と磁場(磁界)の総称だ。電場と磁場は時間的に変化する場合には、互いに誘起しあいながら変化していくので、まとめてそう呼ばれる。マクスウェルの方程式とは、この電磁場のふるまいを記述する古典電磁気学の基礎方程式のこと。この本は数式を必要最小限にとどめ、高校数学でわかるようになっている。電気系の大学に進学した人の中には、「高校物理で学習した電磁気学のさまざまな法則が、大学ではマクスウェル方程式という4つの方程式に集約されることに感動を覚えた」という意見も多い。高校で学習した物理や数学の内容で、より高度に洗練される過程を垣間見られることがよいかも知れない。 (ブルーバックス)



不変量と対称性 現代数学のこころ

今井淳、中村博昭、寺尾宏明

上級の発想に触れる、数学エッセイ。本書の解説にもあるように、「より高い視点から視野を広げて見渡し普遍的なものを抽出して物事の解決をはかるという数学に典型的な発想法」を味わうことができると思う。代数方程式のガロア理論、2次元トポロジー、結び目理論などを紹介。高校生には難しい箇所もあるが、数学全般の入門書となりえるだろう。 (ちくま学芸文庫)



数学

カオスとフラクタル

山口昌哉

カオスとは、ギリシャ語で混沌という意味で、自然の中の複雑な現象を解く数学のこと。例えば竜巻のように、最初の動きがわかってもその後のでたらめな動きから生じる数的誤差により予測できないような複雑な様子を示す現象を扱う。フラクタルとは、やはり複雑な自然の形象を幾何学で表したもの。図形の部分と全体が自己相似になっているものなどをいう。身近な例では、ロシアのマトリョーシカ人形のように入れ子構造になったものや、リアス式海岸のような自然の複雑な形象がある。カオスとフラクタルは、身近で美しい現象であり、物理学、数学においてもたいへん面白い話題だが、この本はその一般向けの解説書。 (ちくま学芸文庫)



物理/素粒子、宇宙

量子力学はミステリー

山田克哉

古典力学とは違う量子力学の世界、つまり不思議な極微の世界を、数式をほとんど使わずに解説している。「誰も見ていないとき、月は存在しないかもしれない」といった、思わず知りたくなるテーマについて解説する中で、量子力学について知らない人でも興味を持って読み進められる。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



地球科学

手足を持った魚たち 脊椎動物の上陸戦略

ジェニファ・クラック

海で誕生した生物は、海や河川・湖などの水中で進化してきた。そのうち、植物の一部が上陸する。少し遅れて動物が上陸する。脊椎動物の上陸は、3億6000万年前のデボン紀のころという。この本は、生物の上陸という生物進化史上の重要事件の謎に、化石の研究を通じて迫っていく様子が描かれ興味深い。講談社現代新書からは、「生命の歴史シリーズ」として、『カンブリア紀の怪物たち』と『失われた化石記録―光合成の謎を解く』が出ていて、本書はシリーズ3冊目。 (松井孝典:監修、真鍋真、池田比佐子:訳/講談社現代新書)



地球科学

琉球列島の自然講座 サンゴ礁・島の生き物たち・自然環境

琉球大学理学部「琉球列島の自然講座」編集委員会:編

我が国唯一の亜熱帯地域である“琉球列島”について学べる本。図や写真を多用して専門用語や数式をできる限り避けており、南のサンゴ礁の島の地史、自然、生き物、気象などについてわかりやすく説明している。将来の環境像を知るために、様々な学問領域が共に力を合わせて取り組む異分野融合をしながら、過去〜現在の自然を調べることが必要であることがわかる。 (ボーダーインク)



物理/素粒子、宇宙

地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか 太陽活動から読み解く地球の過去・現在・未来

宮原ひろ子

著者は太陽物理学、宇宙線物理学、宇宙気候学が専門。宇宙気候学とは、地球の気候変動に対する宇宙現象の影響を研究対象とした学問のことで、この本はその学問に立脚し、地球気候の長期変動と太陽活動との関係をていねいに書いている。太陽活動と地球環境との関係は簡単に紐付けできないが、その現状認識を知る良書のひとつ。 (DOJIN選書)



数学

無限論の教室

野矢茂樹

この本の中に無限について有名なアキレスと亀の話が出てくる。足の速いアキレスは亀より後ろの位置からスタートした。アキレスが亀のスタート位置まで走る間に、亀は何メートルか進む。 しかしその亀の位置までアキレスが走る間に、亀はさらに前へ進んでいる。 その位置までアキレスが走る間に、さらに亀は…このようにアキレスは永遠(無限)に亀に追いつけない、というパラドックスだ。この本は無限に関する素朴な問いに始まり、オーストリアの数学者ゲーテルが数学的命題について示した不完全性定理まで、哲学者の野矢先生が語る。高校数学で学ぶ無限という概念がいかに漠然としたものであるかを知ることができる。 (講談社現代新書)



地球科学

絵でわかるプレートテクトニクス 地球進化の謎に挑む

是永淳

海洋プレートが高温のマントルに沈み巨大地震や大陸の大移動を引き起こす。地球のダイナミズムを解き明かす「プレートテクトニクス」を、豊富な図とイラストでわかりやすく解説する。著者は、今最も活発に活躍している地球科学者の一人。自身のプレートテクトニクスに関する研究に裏打ちされた内容を、初心者にもわかりやすく説明している。地球の振る舞いがまだまだ謎に満ちていて、今後の地球科学の発展がその解明の鍵となることがよくわかる。 (講談社)



物理/素粒子、宇宙

中学・高校物理のほんとうの使い道

京極一樹

中学、高校時代に、三角関数や微分・積分などは何のために学ぶのだろう、と思ったことはないだろうか。数学に限らず物理においても、課題には背景があることがわかると、より面白く学ぶことができる。この本では、教科書よりもリアルに、より身近に物理学の使い道を知ることができる。 (じっぴコンパクト新書)



物理/素粒子、宇宙

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る 

大栗博司

ニュートンの万有引力という言葉で知られる重力は、地上において物体が地球に引き寄せられるだけではなく、星の誕生にも大きく関わる力である。重力研究は、ニュートン、時間と空間が伸び縮みするアインシュタインの相対論の世界から、ホーキングの量子重力論を経て、宇宙は10次元だと考える超弦理論(超ひも理論ともいう)へ進展している。重力に関する疑問を持ち、物理に興味のある高校生ならお勧めの一冊。 (幻冬舎新書)



物理/素粒子、宇宙

高校数学でわかるボルツマンの原理 熱力学と統計力学を理解しよう

竹内淳

「熱力学」と「統計物理学」を結ぶ「ボルツマンの原理」が数式を使って理解でき、「乱雑さ」ともいわれるエントロピーの意味までわかるようになる良書である。途中で高校以上の数学も出てくるがわかりやすく解説されているので心配はいらない。初めの方で、ワットジュール、カルノー、クラウジウスなど「熱力学」と「統計物理学」で登場する偉大な科学者たちの業績と理論が読み物として面白く書かれている。ここを過ぎると、ボイル・シャルルの法則、熱力学の第1・第2法則、気体分子運動論など高校物理でおなじみの理論から始まり、大学レベルの「熱力学」と「統計物理学」の内容までを数式を使いながら解説し、目標である「ボルツマンの原理」の理解へと読者を導いてくれる。 (ブルーバックス)



地球科学

ダイヤモンドは超音速で地底を移動する

入舩徹男

地球内部は深くなるほど高圧・高温になることが知られている。ダイヤモンドは地底200kmで、炭素に高温・高圧が加わって作られるが、それがどうやって地表近くまで上がってくるのか、長年の謎だったという。この本は、その謎に迫った高圧地球科学分野における比較的新しい読本だ。高圧実験や地球内部のこともわかりやすく説明されている。著者の実験室で発見・発明されたヒメダイヤというナノダイヤモンド多結晶体は、世界で最も硬い人工ダイヤモンドとして将来の応用が期待されており、特にその部分の記述は秀逸。 (メディアファクトリー新書)



物理/素粒子、宇宙

サイエンス入門 1

リチャード・A.ムラー

著者はカリフォルニア大学バークレー校の物理学教授。科学的な判断に必須の知識を初学者向けに解説する。核・エネルギー・放射能・地球温暖化等の現代社会のリアルな課題を真正面からとりあげ、その原理から応用技術・問題点・将来性までを説く。原発の問題や地球温暖化の問題で、利権に絡んだ学者や業界団体、マスコミや政治家に騙されてしまう問題点を挙げる一方、原子力だけ『リスクゼロ』が求められるが、どの技術もリスクが伴うことを理解すべきと指摘する。基礎的な物理学の知識があれば社会のさまざまな問題が解決できることを知ることできる。NHK Eテレ『バークレー白熱教室』で放送された著者の講義録。続編の第2巻も出ている。 (二階堂行彦:訳/楽工社)



トムキンスの冒険

G.ガモフ

ガモフはロシア生まれのアメリカの理論物理学者。ビッグバンの提唱者として有名だが、難解な物理理論をわかりやすく解説する啓蒙書を多く著している。「トムキンスの冒険」は不思議の国、原子の国などでくりひろげる奇想天外な冒険譚。ある日トムキンスが列車の旅で着いた駅は、のろい町だった。実はアインシュタインの相対性理論によると、光速に近い速度で運動すると時間はいくらでも長くなる(つまり時間がのろくなる)ことが知られているのだ…。量子論勃興のころの躍動的な雰囲気を感じ取れる。この本以外でも『宇宙=1.2.3…無限大』『太陽と月と地球と』等々がある。こんなに面白いのに、なぜか廉価本が出ていない。図書館で借りて読むべし。 (伏見康治、鎮目恭夫、市井三郎、林一:訳/白揚社)



物理/素粒子、宇宙

マンガでわかる量子力学

石川憲二

近代物理学を理解するためには、今や量子力学の理解は不可欠だ。通常の教科書だとむずかしい言葉や式が多く、高校生には理解が困難だが、漫画なら量子力学のエッセンスや、特に高校で習う物理との違いをわかってもらえるだろう。オーム社の「マンガでわかる」科学シリーズの一冊。 (ウェルテ:制作、川端潔:監修、柊ゆたか:作画/オーム社)



地球科学

図解・プレートテクトニクス入門

木村学、大木勇人

プレートとは、地球の表面を覆う岩盤層のことで、地殻とマントルの最上部を合わせた部分を指す。プレートには、大陸プレートと海洋プレートがある。海洋プレートは、海洋山脈(海嶺)と海盆、海溝などでできている。プレートテクニクスは、この海洋プレートが海溝に沈み込むことによる重みで移動し、その力がマントル乗って互いに動きについての理論だ。この本は、現在の世界の大陸が分断・移動によってできたとする大陸移動説とプレートテクニクスとの違いから説き起こし、地震、火山ができるしくみ、高い山ができるしくみ、深い海底ができるしくみまで、地球のからくりなどを解き明かす。 (ブルーバックス)



物理/素粒子、宇宙

これが物理学だ! マサチューセッツ工科大学「感動」講義

ウォルター・ルーウィン

X線宇宙物理学が専門の、マサチューセッツ工科大学の教授による文字通り体を張った数々の実験を交えた物理学の名講義を本にしたもの。エネルギー保存の法則を伝えるのに、教室に上からつるした鉄球を離し、反対側に設置されているガラスを粉々に打ち砕いてみせる。著者の熱意がひしひしと伝わってくる読み物で、きっと物理学が好きになるだろう。 (東江一紀:訳/文藝春秋)


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