生き物って、いのちを守るって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

マンガでわかるホルモンの働き 性別までを左右する不思議な物質の正体とは?

野口哲典

ホルモンとは、微量にもかかわらず生体における代謝、神経伝達、発生、分化などのあらゆる生体活動の調節機構に密接に関与する一群の物質のこと。中でもその生物自体の器官または組織でつくられるものをいう。この本はヒトが生きて行く上で不可欠な情報伝達物質であるホルモンの働きを、マンガでわかりやすく解説する。 (サイエンス・アイ新書)



基礎医学系・先端医療バイオ系

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた

山中伸弥、緑慎也

著者・山中伸弥先生は、日本の誇る医学者。京都大学iPS細胞研究所所長・教授。「成熟細胞が初期化され多能性をもつことの発見」、すなわちiPS細胞の発見により、2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。若いころ、整形外科の道を選んだが、手術が下手で「ジャマナカ」と呼ばれていたという有名なエピソードなど、フリーの科学ライターを聞き手に語り、共著という形で出版した。山中先生の初の自伝で、この本はその文庫化である。 (講談社プラスα文庫)



心と遺伝子

山元大輔

睡眠、恋愛、子育てなどのさまざまな行動が、遺伝子によりどのように制御されているかを俯瞰することができる。内容はやや専門的で難しい部分があるかもしれないが、ヒトの精神活動、ひいてはその疾患の生物学的基盤解明に役立つ基礎知見を紹介している。著者の専門は行動遺伝学の生物学者。キイロショウジョウバエのオスが同性愛化するサトリ突然変異体を発見。生物の性愛や行動の謎に迫る遺伝子研究を続けている。 (中公新書ラクレ)



進化を飛躍させる新しい主役 モンシロチョウの世界から

小原嘉明

モンシロチョウのオスはどのようにしてメスを探すのか、著者はオスがメスの翅の紫外線領域の反射の違いを見分けると結論するのだが、どのような仮説を立て明らかにしたのか、研究の進め方、考え方が実体験とともに理解できるわかりやすい本。卒業研究や修士・博士論文になった研究が紹介され、学生と一緒になって壁に突き当たりながら行動原理を追及していった軌跡が書かれている。教科書には載っていない著者の新しい仮説も紹介されている。また昆虫の配偶行動、オスとメスの翅色の性差、配偶者認知の進化を地球的規模でダイナミックにとらえ、昆虫の行動原理を追及している点で、昆虫科学という学問の読み物として高校生にお勧めできる。 (岩波ジュニア新書)



生物・バイオ系

ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学

本川達雄

生物の寿命は大きさによって異なる。しかし、呼吸や心臓の心拍数は、ゾウとネズミではだいたい同じになる。このことを題材に、生物のエネルギーの使い方も含めた、「生物がすごす時間」についてわかりやすく述べている。他とは異なる切り口による、生命への複合的な見方を読み取ってほしい。機能生物学分野のうち、主に生体エネルギー分野に関する本であり、生物のエネルギーの使い方、すなわち生体エネルギーの本質について記述されている。 (中公新書)



生物・バイオ系

進化とは何か

今西錦司

1976年に書かれてから、長く読まれ続けてきた本書。正統派とも言えるダーウィンの進化論に対し、独自の進化論を展開し解説する。もちろん生物学的な知識は必要だが、細分化された学問だけでなく、統合的な視野を持ってほしい。そのためにもお勧めしたい一冊だ。 (講談社学術文庫)



涼しい脳味噌

養老孟司

解剖学者としてあまりにも世に有名な著者が、幅広い知識と繊細な学問思考で、鋭くそして軽やかに社会と科学を語る。「ゴキブリ殺しの文化論」「手塚治虫の生命観」といった、多種多様な50以上のテーマについて独特の語り口で一気に引き込み読ませる、痛快なエッセイ集。 (文藝春秋)



生物・バイオ系

微生物の狩人

ポール・ド・クライフ

17世紀、はじめて顕微鏡を使って微生物を観察し、「微生物学の父」と言われるオランダ人レーウェンフックをはじめとして、パストゥール、コッホなど13人の細菌学者の人物と業績を紹介する。当時、微生物の概念すら否定されていた時代から、さまざまな発想や工夫を凝らして、新しいものを発見していくプロセスは現代にも通じるものがある。また、この本に登場する研究者の苦悩や興奮がリアルに伝わってくるので、一気に読み上げてしまう。 (秋元寿恵夫:訳/岩波文庫)



基礎医学系・先端医療バイオ系

はたらく細胞

清水茜

白血球と赤血球をはじめとした体内細胞を擬人化し、体内のさまざまな出来事をドラマ仕立てで描くマンガ。この第二巻では、「赤芽球と骨髄球」をはじめ、食中毒、熱中症、がん細胞についてのドラマだ。擬人化されたがん細胞の末路が哀れだ。 (講談社コミックプラス)



進化とはなんだろうか

長谷川眞理子

著者は人類学者。進化生物学の観点から人間の行動性向を理解しようとする進化心理学に関する著書が多い。進化心理学とは、ヒトの心理メカニズムの多くは生物学的適応であると仮定し、ヒトの心理を研究するアプローチのことだ。特に性にまつわる問題への関心が高く、この本でもオス・メスの性差の意味、配偶をめぐる競争などを書いている。ちなみに夫も人類学者で、夫婦による共著も多い。生物がどのように進化してきたかについて、さまざまな具体例とともに、そのメカニズムについてわかりやすく記載されている。ダーウィンの自然選択説、性選択や血縁選択など重要概念を理解できる。 (岩波ジュニア新書)



基礎医学系・先端医療バイオ系

脳の情報を読み解く BMIが開く未来

川人光男

BMIとはブレイン・マシン・インターフェースのこと。脳波等の検出・あるいは逆に脳への刺激などといった手法により、脳とコンピュータなどとの相互のかかわり(インタフェース)をとることを言う。例えば、聴覚障害者の内耳の蝸牛に電極を接触させ聴覚を補助する人工内耳や、キーボード操作をしなくても念じるだけで動かせる介護機器といえばわかりやすいだろうか。この本は、脳と外部の機械をつなぐブレイン・マシン・インターフェース技術を通して、脳科学の研究を解説している。 (朝日選書)



生物・バイオ系

細胞が自分を食べる オートファジーの謎

水島昇

2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典先生のテーマが「オートファジーの仕組みの解明」。その「オートファジー」研究について、平易に解説している。オートファジーは、体内細胞の中で分解しては新しく合成するといった、いわば掃除や中身の入れ替え、リサイクルの働きである。あらゆる病気や感染、免疫などの研究にあたり現在最も注目されるオートファジーについて詳しく知ることができる。 (PHPサイエンス・ワールド新書)



基礎医学系・先端医療バイオ系

進化しすぎた脳 中高生と語る[大脳生理学]の最前線

池谷裕二

中高生との対話から見た大脳生理学がまとめられており、高校生が神経科学を学ぶにあたり、導入としてわかりやすく適している。記憶や意識、脳の解釈など脳の力などについて、ストレートに、かつ平易な言葉運びでテンポよく解説する。 (ブルーバックス)



生物・バイオ系

カエル 水辺の隣人

松井正文

日本に生息するカエルのすべてから、世界の変わったカエルまでを紹介。両生類の祖先が姿を現した約3億年前の石炭紀まで話は遡り、両生類の進化、日本や世界の両生類について、学術的な観点から詳しく説明されている。両生類の研究に興味があり、両生類についてもっと知りたい人におすすめの本だ。 (中公新書)



生物・バイオ系

ネムリユスリカのふしぎな世界 この昆虫は、なぜ「生き返る」ことができるのか?

黄川田隆洋

ネムリユスリカの幼虫は、乾燥状態で死にそうになっても、次の雨が降ると蘇生するという特徴を持っている! この本は、ネムリユスリカという不死身の昆虫に関する研究の話が書かれている。著者の所属する農業生物資源研究所は世界で唯一、ネムリユスリカ研究を行うという。極限環境でも生存し続けるこの昆虫を知れば、生物の進化やタンパク質の特徴についても考えることができるだろう。 (ウェッジ選書)



闘う!ウイルス・バスターズ

河岡義裕、渡辺登喜子

インフルエンザウイルス研究の醍醐味が、臨場感をもって味わえる一冊。2009年、パンデミックを起こした新型インフルエンザウイルスの研究開始状況や、高病原性ウイルスの人への感染メカニズムに関する研究成果が、テロに応用されることを心配したCIAの訪問など、感染症研究において表に出ない部分が、ノンフィクションのドラマのように楽しめる。 (朝日新聞出版)



二重らせん

ジェームス・D・ワトソン

DNAの構造を解明してノーベル賞を受賞した著者、ワトソンによる自伝的な本。研究の熾烈な競争と、人間関係や感情・心情が生々しくリアルに書かれており、良い意味でも悪い意味でも人間味のあふれる内容となっている。ワトソンの一方的な視点から書かれているが、他の登場人物であるクリック、ウィルキンスの自伝や、フランクリン女史について書かれた本もあるため、比べて読んでみるのもよいだろう。 (江上不二夫、中村桂子:訳/ブルーバックス)



生物・バイオ系

図解雑学 進化論

中原英臣

19世紀半ばのダーウィンの進化論から始まり、ラマルク進化論、日本の今西錦司進化論、ドーキンスの利己的遺伝子説などこれまで登場した歴代の進化論の1つ1つのトピックスについて、見開きごとに文章と図とともにわかりやすく解説してある。また、現代において提案されている進化論についても、幅広く記載されている。 (ナツメ社)



薬学系

世界を変えた薬

佐藤健太郎

著者や医薬品メーカーや大学研究職などを経たサイエンスライター。薬も毒も多くは化学物質であるが、その化学物質と人類との関わりを、世界史の中で面白く解説している。医薬品の持つ力をあらためて考えさせられる一冊。 (現代新書)



認知症になった私が伝えたいこと

佐藤雅彦

若くして認知症となった佐藤雅彦さんが書き溜めて言葉が本に。援助の対象となる当事者が、どのような想いを持ち、どのような生活世界を生きているかを知ることは、援助の基本だ。その理解を助けるための、認知症当事者が執筆された書を、ぜひ読んでみてほしい。 (冷水豊:編著/大月書店)


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