生き物って、いのちを守るって

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

基礎医学系・先端医療バイオ系

進化しすぎた脳 中高生と語る[大脳生理学]の最前線

池谷裕二

中高生との対話から見た大脳生理学がまとめられており、高校生が神経科学を学ぶにあたり、導入としてわかりやすく適している。記憶や意識、脳の解釈など脳の力などについて、ストレートに、かつ平易な言葉運びでテンポよく解説する。 (ブルーバックス)



生物・バイオ系

フィンチの嘴 ガラパゴスで起きている種の変貌

ジョナサン・ワイナー

ガラパゴス諸島にすむダーウィンフィンチ類という鳥を20年以上観察しつづけた米プリンストン大学のグラント夫妻の研究生活を生き生きと描いた本。「進化」が現在進行形で起きていることを明らかにするために、夫妻は大学院生らとともに1万8000羽にのぼるフィンチに足輪をつけ、個体識別をおこない観察。その結果、食物の大きさが年次間で変動すること、それに対応してフィンチ類のくちばしの長さや太さが、目に見える形で進化していることを明らかにした。科学ジャーナリストである著者の文章はわかりやすく、ストーリーとしても楽しめる。生物の生態や進化に興味のある人にとっては、人生を左右する1冊になりうる、インパクトのある本だ。 (樋口広芳、黒沢令子:訳/ハヤカワ・ノンフィクション文庫)



生物・バイオ系

生命科学への誘い

大島泰郎、多賀谷光男:編

バイオテクノロジーの研究は日々進歩している。遺伝子研究によりクローン羊や、遺伝子組み換え作物が誕生させたりすることは、医薬品の開発にも役立てられている。遺伝子診断や遺伝子治療といった、生命科学の進化が私たちの生活にもたらすものは数多く存在するが、この本で詳しく理解することができる。 (東京化学同人)



生物・バイオ系

洞窟の骨

アーロン・エルキンズ

スケルトン探偵と呼ばれる人類学教授が主人公で、殺人事件を解決して行く小説。ネアンデルタール人の発掘を絡めながら話を進めている。ミステリアス・プレスとサイエンス・フィクション、ミステリーに強い早川書房が特約を結んで出版されたミステリ叢書の1冊。 (青木久恵:訳/ミステリアス・プレス文庫)



生物・バイオ系

生命とは何か 物理的にみた生細胞

シュレーディンガー

量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式を生み出すなど、量子力学への功績で名高いシュレーディンガー。理論物理学者であり、生物学の専門家ではなかったが、物理学の観点から生物を説明し、新たな生物学「分子生物学」を開いた。その始まりとなった名著。1944年の講演が本になったもので70年も前の本だが、エントロピーの話題など今でも新鮮だろう。 (岡小天、鎮目恭夫:訳/岩波文庫)



生物・バイオ系

図解雑学 進化論

中原英臣

19世紀半ばのダーウィンの進化論から始まり、ラマルク進化論、日本の今西錦司進化論、ドーキンスの利己的遺伝子説などこれまで登場した歴代の進化論の1つ1つのトピックスについて、見開きごとに文章と図とともにわかりやすく解説してある。また、現代において提案されている進化論についても、幅広く記載されている。 (ナツメ社)



スポーツサイエンス入門

田口貞善、矢部京之助、伊坂忠夫:編

スポーツ科学に関心をもつ初学者・愛好家に最適な入門書。スポーツ競技における高度のパフォーマンスを実現して高めるための方法やメカニズムを、科学的に解明・追求しようとするスポーツ科学。スポーツパイオメカニクスの研究成果を含め、スポーツ科学全体が学べる本。読者が理解しやすいよう多数の図版を盛り込みながら、高度な話題までを具体的に噛み砕いて解説してくれる。 (丸善出版)



闘う!ウイルス・バスターズ

河岡義裕、渡辺登喜子

インフルエンザウイルス研究の醍醐味が、臨場感をもって味わえる一冊。2009年、パンデミックを起こした新型インフルエンザウイルスの研究開始状況や、高病原性ウイルスの人への感染メカニズムに関する研究成果が、テロに応用されることを心配したCIAの訪問など、感染症研究において表に出ない部分が、ノンフィクションのドラマのように楽しめる。 (朝日新聞出版)



医療・健康系

皮膚は考える

傳田光洋

皮膚の持つ大きな役割と力、そして最新研究について、皮膚を「臓器」と位置付けて詳細に分かりやすく解説している。また、脳と皮膚には共通し互いに連携しあうといった様々な面白い関係があることを紹介している。 (岩波科学ライブラリー)



生物・バイオ系

太古からの9+2構造 繊毛のふしぎ

神谷律

ゾウリムシなどの単細胞生物は、全身に繊毛という毛を持ち、これで細胞遊泳に必要な推進力を得ている。繊毛の運動装置は「軸糸」と呼ばれ、その微細構造は、2本の中心小管と、これを囲む9対の小管群が縦に走ってできている。それは単細胞生物に限らず、どんな生物の細胞、例えば心臓や肝臓などの細胞にも太古から共通して生えているという。この軸糸構造を形成している各部品の微細構造や機能についてくわしく書かれている。繊毛の異常で起こる疾患のこともわかりやすく述べられている。 (岩波科学ライブラリー)



生物・バイオ系

朱鷺の遺言

小林照幸

トキは日本で一度絶滅した鳥だ。現在、佐渡島でトキの保護と野生復帰事業が進められているが、それは中国産の個体を繁殖させたものなのだ。トキが絶滅の危機にあると認識され、保護活動が進められながらも、絶滅を食い止められなかったのはなぜなのか。本書から、自然保護や環境保全がいかに難しいか、同じことを繰り返さないためにはどうすればよいのかを考えてほしい。この本が最初に出版された1990年代後半には、まだ動植物の保全のための研究はほとんどなかったため、「生物資源保全学」などという言葉は出てこないが、日本産トキを守れなかった原因を探ることは、保全を考える上で必須のことだ。そして、私たちは、様々な動植物を滅ぼしてきた事実を認めなければならない。 (文春文庫)



涼しい脳味噌

養老孟司

解剖学者としてあまりにも世に有名な著者が、幅広い知識と繊細な学問思考で、鋭くそして軽やかに社会と科学を語る。「ゴキブリ殺しの文化論」「手塚治虫の生命観」といった、多種多様な50以上のテーマについて独特の語り口で一気に引き込み読ませる、痛快なエッセイ集。 (文藝春秋)



生物・バイオ系

ネムリユスリカのふしぎな世界 この昆虫は、なぜ「生き返る」ことができるのか?

黄川田隆洋

ネムリユスリカの幼虫は、乾燥状態で死にそうになっても、次の雨が降ると蘇生するという特徴を持っている! この本は、ネムリユスリカという不死身の昆虫に関する研究の話が書かれている。著者の所属する農業生物資源研究所は世界で唯一、ネムリユスリカ研究を行うという。極限環境でも生存し続けるこの昆虫を知れば、生物の進化やタンパク質の特徴についても考えることができるだろう。 (ウェッジ選書)



タンパク質 生命を担うこの身近で不思議な物質

蛋白質研究奨励会:編

生命科学分野で特にタンパク質の機能が分かりやすく記載されており、酵素、ホルモン、エネルギー、毒、免疫そして栄養について理解することが出来る本。生体内での働き手であるタンパク質の機能は、生命を維持する上で極めて重要であるが、この本では、中でも低分子のペプチドから酵素、そして情報伝達に重要な大きな分子受容体までが記載されており、それぞれの機能が分かりやすく説明されている。 (東京化学同人)



風に立つライオン

さだまさし

ケニアの戦傷病院で働いた実在の日本人医師のエピソードに、歌手のさだまさし自身がインスパイアされて小説化。舞台は1988年のケニア、そして2011年東日本大震災の被災地石巻へと展開する。海外で医師や研究者が研究をするということはどのようなことかということが伝わってくる。2015年、映画化。監督は三池崇史。大沢たかお、石原さとみ出演。 (幻冬舎文庫)



基礎医学系・先端医療バイオ系

脳を極める 脳研究最前線

立花隆

内容は20年前のものではあるが、日本の脳研究を牽引してきた研究者と、脳研究の基本が幅広く紹介されている。図解も多く、高校生や初心者向けの入門書として適している。 (朝日新聞出版)



大村智 2億人を病魔から守った化学者

馬場錬成

オンコセルカ症は、アフリカ・中南米で多くみられた感染症である。大村智先生は、この感染症の撲滅に挑む科学者で、2015年、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。本書では、天然物がどのように発見されて、どのように社会の役に立っているかについて理解できる。また、大村先生の人生を通して、生物有機化学、天然物化学全般について理解できると思われる。 (中央公論新社)



進化を飛躍させる新しい主役 モンシロチョウの世界から

小原嘉明

モンシロチョウのオスはどのようにしてメスを探すのか、著者はオスがメスの翅の紫外線領域の反射の違いを見分けると結論するのだが、どのような仮説を立て明らかにしたのか、研究の進め方、考え方が実体験とともに理解できるわかりやすい本。卒業研究や修士・博士論文になった研究が紹介され、学生と一緒になって壁に突き当たりながら行動原理を追及していった軌跡が書かれている。教科書には載っていない著者の新しい仮説も紹介されている。また昆虫の配偶行動、オスとメスの翅色の性差、配偶者認知の進化を地球的規模でダイナミックにとらえ、昆虫の行動原理を追及している点で、昆虫科学という学問の読み物として高校生にお勧めできる。 (岩波ジュニア新書)



生物・バイオ系

動物に心はあるだろうか? 初めての動物行動学

松島俊也

この本は動物行動学の入門書として、小学校高学年向けに書かれている。著者は動物心理学というとても興味深い研究をしている。動物心理学とは、人間以外の動物の行動を研究する心理学の一部門。動物への学習・情動・動機づけなどの実験・研究を通して、人間の心理研究に貢献する。著者の場合のアプローチ法は、いろいろな動物の行動と脳の研究をおこなっている。例えば研究の結果、モネとピカソの絵を見分けるハトを見出したという。動物に心はあるのでないかと思わせる最新の成果が豊富で、写真や図を多用している。 (佐竹政紀:イラスト/あさがく選書)



生物・バイオ系

細胞が自分を食べる オートファジーの謎

水島昇

2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典先生のテーマが「オートファジーの仕組みの解明」。その「オートファジー」研究について、平易に解説している。オートファジーは、体内細胞の中で分解しては新しく合成するといった、いわば掃除や中身の入れ替え、リサイクルの働きである。あらゆる病気や感染、免疫などの研究にあたり現在最も注目されるオートファジーについて詳しく知ることができる。 (PHPサイエンス・ワールド新書)


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