ことば・物語って、歴史・文化って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

歴史・地理

アトランティス・ミステリー

庄子大亮

現代から約一万二千年前、大西洋上にあったとされるアトランティス大陸の存在と繁栄の伝説は、古代ギリシア世界に端を発する。こうした伝説が、歴史の中でどのような意味を持ったのか、わかりやすく紹介してくれる。 (PHP新書)



わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か

平田オリザ

著者は、劇作家・演出家。ごく普通の人間同士の自然な会話や動きによる「静かな演劇」と呼ばれる新しい演劇のスタイルを打ち出し、世界の演劇界に大きな影響を与えた人物だ。そんな平田氏は、コミュニケーション能力を高めるには伝わらない経験が大事、コミュニケーションは慣れだと説く。コミュニケーションがないと嘆く若者へ。 (講談社現代新書)



英語学習は早いほどよいのか

バトラー後藤裕子

言語習得は早ければ早い方がよいのだろうか。早期教育の問題点や、言語習得に重要な要素など、言語習得研究の最前線の成果が漏らすところなくまとめられている。内容的にはやや高度だが、興味のある方にはお勧め。 (岩波新書)



沖縄「戦後」ゼロ年

目取真俊

沖縄に米軍が駐留しているままでは、沖縄に戦後は訪れていないと日本人に問いかける。戦後70年を過ぎた現在、沖縄を改めて知る上で格好の本。 (生活人新書)



不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か

米原万里

ロシア語同時通訳者という実体験に基づいて、通訳とはどんな職業なのか、何が求められるのかといったことが、軽快な文章でエッセイにまとめられている。日本の国語の授業の在り方への意見もぜひ読んでほしい。 (新潮文庫)



歴史・地理

風雲児たち

みなもと太郎

徳川幕府成立から幕末までの江戸時代史のマンガ。ギャグも多い。医学のため未知の言葉(オランダ語)に挑戦して苦闘する前野良沢、杉田玄白たちを描いた巻は特にお薦めで、脚本・三谷幸喜でテレビドラマ化もされた。2018年現在全30巻。 (リイド社)



言語学への開かれた扉

千野栄一

「扉は開いています。気のある方はどうぞ」という気持ちで本書のタイトルをつけ、「言語学をこれから勉強しようと思っている人にはぜひ読んでいただきたい」と語る著者。平易かつ面白い、一般向けの言語学にまつわるエッセイ集。学問的レベルは高く、言語学の中の研究分野、世界の言語の現状、近代言語学を築いた先駆者たちについて、述べられている。 (三省堂)



文学・芸術

ことばと国家

田中克彦

日本にいると日本語を話せて、学校教育を日本語で受けられるのが当然と考えがちだが、そのような社会は非常にまれだ。多数の言語を併用する国は多く、国家によって、それらの言語の扱い方は様々である。また、どんなに話者数が少なくても、言語そのものは国家の公用語や英語のような大言語と比べて劣っているわけではない。それぞれの言語はそれぞれの社会を反映して、豊かな語彙や表現を持っている。そうした言語的な豊かさを守りつつ、すべての人が平等に社会に参加できる方法を考えるのがこの分野の目的の一つである。言語学を学び始める時の必読書。国家とことばがどのように関わっているのかを知るための様々なヒントを与えてくれる。 (岩波新書)



歴史・地理

環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争

松井章

遺跡から出土する動物の骨や植物の種などを研究すると、昔の人の食生活もわかる。古代の便所を発掘すると、寄生虫の卵なども発掘され、川魚を刺身で食べていたことも推測できる。考古学の中でも、特に動物や植物など人間のまわりの自然環境と関わる分野を環境考古学と呼ぶ。著者は骨の専門家なので、人骨についた傷あとから戦闘の様子を生々しく再現する様が語られる。物的証拠を扱う考古学が、警察の鑑識のような仕事に近いこともよくわかるだろう。著者の体験談を中心に説得力を持って語られて興味深い。 (岩波新書)



文学・芸術

まろ、ん? 大掴源氏物語

小泉吉宏

「源氏物語」のあらすじが8コマ漫画になった。登場人物の衣装も細かく描かれており、人物系図や官位表などの解説もされている。「源氏物語」の内容をざっくりと理解するのにおススメだ。 (幻冬舎)



外国語を学ぶための 言語学の考え方

黒田龍之介

外国語を学ぶことを料理に例え、日本にいても外国語を学ぶことはできるということ、複数の外国語を学ぶことの意義など、外国語をどのように学んだらよいかについて興味深い提案が書かれている。外国語学習法としての言語学入門書。 (中公新書)



歴史・地理

李鴻章 東アジアの近代

岡本隆司

李鴻章は、東アジア近代史の転換点となった日清戦争の清朝側の最高指導者。彼は、官僚として出世街道を歩み始めてまもなく、太平天国や第二次アヘン戦争に直面し、近代兵器を手始めにヨーロッパ近代の科学や技術を取り入れる。この「洋務運動」と呼ばれる近代化政策の中で、次の時代を担う新しい人材が育っていく。大まかにいえば、日本の幕末・明治維新と似ているが、社会や政治のあり方が日本と違うため、その展開も異なり、日清戦争の勝敗を分ける。本書は、李鴻章を通じて、日清戦争前後の清朝を描く。日本と中国の近代化を単なる成功例・失敗例ととらえるのではなく、そこから現代にも通じる中国の特徴を捉えようとする点で、本書はアジア史研究の最近のトレンドを代表しているといえる。 (岩波新書)



音とことばのふしぎな世界

川原繁人

言語に関する学問は文系と思われるかもしれないが、文系理系の違いにとらわれることなく物事をとらえることが大切。言葉の音とはどのようなものかについて、わかりやすくまた興味深くまとめられている。言語を客観的に考えるとはどういうことか、どんな知識が必要かということを知る上でも役に立つ。出版社のサイトには、本で取り上げられた音声が動画で掲載されている。また、授業などで簡単に利用できる練習問題が、以下のサイト掲載。http://user.keio.ac.jp/~kawahara/iwanami.html (岩波科学ライブラリー)



歴史・地理

300 スリーハンドレッド アートブック

フランク・ミラー、ザック・スナイダー、タラ・ディルーロ

映画『300(スリーハンドレッド)』のメイキングを追った公式アートブック。テルモピュライの戦いでペルシア軍と戦い戦死したスパルタ軍の指揮官レオニダス王を中心に描いている。ペルシア人とスパルタ人の描かれ方を見てほしい。ペルシア人は、虚栄心が強く利己的で、残忍ではあるがひ弱であると描かれている。一方、それとは対極にあるスパルタ人の筋肉美と勇敢さ(男性性)の誇張にも着目してほしい。ペルシア戦争に触発されたアジア像(この場合はペルシア像)は、古代ギリシアの歴史家・著述家たちによってギリシア人よりも劣ったバルバロイ(異邦人)というイメージとして拡大・継承されていく。それは近代欧米人のオリエンタリズムの起源ともなっている。 (平林祥:訳/小学館集英社プロダクション)



都市空間のなかの文学

前田愛

近代文学の名作に登場する「地名」に注目し、それが読者の無意識にどう作用するのかを丹念に検証した、文学研究に新風をもたらした古典的な一冊。ストーリーや登場人物の心理だけが文学だと思っている人には、驚きの連続となるだろう。平易な文章で初心者にも面白く、街の歴史散歩にも最適。 (ちくま学芸文庫)



金属が語る日本史 銭貨・日本刀・鉄炮

齋藤努

この本は文化財を科学的に調査することの意義を明確に述べたうえで、銭貨、日本刀、鉄砲などの分析事例をわかりやすく述べている。日本で最初の流通貨幣と言われる和同開珎の銅含有量など、本書を通じてX線や電子線が、古代の金属製品の性質を明らかにする面白さが伝わってくる。プロローグp1~11では、文化財科学とはなにかについて述べており、「文化財科学」という学問領域の入門書としてもすぐれている。 (吉川弘文館)



アンネの日記 増補新訂版

アンネ・フランク

『アンネの日記』が最初に出版されたのは1947年。アンネが強制収容所で亡くなってから約2年後である。元々の日記に、二度修正がされている。一度目は、アンネ自身が、将来の出版を想定して加えた推敲。二度目は、アンネの死後、父親のオットーが日記の出版に際して行った修正。文春文庫の「増補新訂版」では、この二度の推敲・修正と、オットーが1980年に死去した後に世に出た2種類の『アンネの日記』(「研究版」と「完成版」)に関する経緯が解説されている。その解説を読み、二人が加えた修正に思いを馳せ、本書を読んでほしい。「出版」を期して清書されていたこの『日記』は、「日記」であり、未来の「読者」を想定して書かれた、優れた「文学作品」でもある。 (深町眞理子:訳/文春文庫)



心で知る、韓国

小倉紀蔵

韓国の哲学と文化に通じた気鋭の著者が、韓国人の行動と意識の背景を、心・身体・愛・美・文化・人間関係・社会・言葉・宗教・空間・時間・他者の12のキーワードから解説する。韓流ドラマや食文化など、親しみやすい話題もあるが、韓国の人々の内面を知る手立てとなる、「恨」や「理」・「気」、道徳、美意識や礼儀などがわかる。 (岩波現代文庫)



失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選

フリードリヒ・デュレンマット

デュレンマットは、戦後のドイツ語圏スイス文学を代表する作家。彼は、現代人を脅かしているのは「もはや神でも正義でもなく、運命でもなくて、交通事故や設計ミスによるダムの決壊、注意散漫な実験助手が引き起こした原爆工場の爆発、調整を誤った人工孵化器」のような「故障」だと考える。そして現代が「故障の世界」であることを誰よりも痛感しているのは福島原発事故以後を生きる私たち日本人ではないだろうか。彼の作品で扱われるテーマには常に普遍性があり、時を越えて現実的な問題に立ち向かう際の一種の思考モデルとして機能している。本書は日本ではあまり知られていないスイス文学の入門書としてもうってつけ。神戸大学増本浩子先生が翻訳。 (増本浩子:訳/光文社古典新訳文庫)



現代韓国を知るための60章

石坂浩一、福島みのり:編著

K-POPアイドルや韓流ドラマだけじゃない。日本の隣国でありながら、知らないことが多い韓国を総合的に理解する手引きとなる入門書。政治・経済・社会・文化から60のテーマについて具体的に、韓国の研究者を含む16名の執筆陣が解説する。 (明石書店)


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