ことば・物語って、歴史・文化って

選んでいただいたフィールドの本はこちら。さあ、もっとみてみよう。

歴史・地理

300 スリーハンドレッド アートブック

フランク・ミラー、ザック・スナイダー、タラ・ディルーロ

映画『300(スリーハンドレッド)』のメイキングを追った公式アートブック。テルモピュライの戦いでペルシア軍と戦い戦死したスパルタ軍の指揮官レオニダス王を中心に描いている。ペルシア人とスパルタ人の描かれ方を見てほしい。ペルシア人は、虚栄心が強く利己的で、残忍ではあるがひ弱であると描かれている。一方、それとは対極にあるスパルタ人の筋肉美と勇敢さ(男性性)の誇張にも着目してほしい。ペルシア戦争に触発されたアジア像(この場合はペルシア像)は、古代ギリシアの歴史家・著述家たちによってギリシア人よりも劣ったバルバロイ(異邦人)というイメージとして拡大・継承されていく。それは近代欧米人のオリエンタリズムの起源ともなっている。 (平林祥:訳/小学館集英社プロダクション)



和本のすすめ 江戸を読み解くために

中野三敏

和本とは、手漉きの和紙を用いて作られた本のこと。近代以前の日本文化を理解するのに欠かせない和本について、変体仮名を読み解くなど和本リテラシーの重要性を述べた上で、和本の作り方、江戸の出版事情など、幅広く解説している。 (岩波新書)



文学・芸術

日本語の系統

服部四郎

かつてはアルタイ語に属するといわれながら現在では他の言語との系統関係が不明な孤立語に分類されることの多い日本語と、アイヌ語や韓国語(朝鮮語)との関係、および音声言語としては本土の人間には理解不能な琉球語がなぜ日本語の方言だといえるか、などが理解できる。 (岩波文庫)



歴史・地理

日本史の謎は「地形」で解ける

竹村公太郎

「地形を見直すと新しい歴史が見えてくる」との書評通り、例えば、頼朝は何故狭く小さい鎌倉に幕府を開いたのか?関ヶ原で勝利した家康は何故田舎の江戸に帰ったのか?などの日本史の謎を、地形をもとに解き明かしている。 (PHP出版)



歴史・地理

古代オリンピック

桜井万里子、橋場弦:編

古代ギリシアで開かれたスポーツの祭典、古代オリンピック。古代ギリシア人が大変重視した古代オリンピックの実情を、考古遺物や文献史料、碑文史料などから分析しており、古代ギリシアの人々が私たちとは異なる世界観の中で暮らしていたことを知ることができる。またさらに、近代オリンピック創設したりした近現代ヨーロッパ世界の人々が、古代ギリシアという「過去」をどのようなものとみなし、どのように利用していたのか、歴史観の変化にも触れることもできる。 (岩波新書)



わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か

平田オリザ

著者は、劇作家・演出家。ごく普通の人間同士の自然な会話や動きによる「静かな演劇」と呼ばれる新しい演劇のスタイルを打ち出し、世界の演劇界に大きな影響を与えた人物だ。そんな平田氏は、コミュニケーション能力を高めるには伝わらない経験が大事、コミュニケーションは慣れだと説く。コミュニケーションがないと嘆く若者へ。 (講談社現代新書)



文学・芸術

まろ、ん? 大掴源氏物語

小泉吉宏

「源氏物語」のあらすじが8コマ漫画になった。登場人物の衣装も細かく描かれており、人物系図や官位表などの解説もされている。「源氏物語」の内容をざっくりと理解するのにおススメだ。 (幻冬舎)



文学・芸術

フランツ・カフカ

代表作『変身』で知られ、人間の存在の不条理を描いた作品を多く残す、カフカの長編小説。測量士のKは、伯爵家から城に呼ばれる。しかしなぜ呼ばれたかわからないまま、しかも呼ばれたというのに城に入ることのできない。そんな不条理を描く。 (前田敬作:訳/新潮文庫)



言語学の散歩

千野栄一

言語学の、一般向けのエッセイ集。月刊『言語』誌に好評連載のものに加筆・推敲した23篇が収められている。本書は平易かつ面白いのだが、学問的レベルは高く、言語学で研究されている問題もわかるようになっているので、言語学の入門書でもある。 (大修館書店)



高杉さん家のおべんとう

柳原望

人文地理学の中でも、生業に関する文化地理学的な視点を多分に含んだコミックス。主人公は地理学のオーバードクター。地域おこしなど現代的なトピックスも扱っており、楽しみながら人文地理学に関する基本的な考え方が理解できる。 (メディアファクトリー)



文学・芸術

ギュンター・グラス 「渦中」の文学者

依岡隆児

『ブリキの太鼓』で知られるノーベル賞作家で、戦後ドイツ文学を代表するギュンター・グラスについてコンパクトに描かれている。ナチスの武装親衛隊員だったことを告白する、作品や政治的発言が物議をかもすなど、常に社会の「渦中」にいる、グラスの実像を知ることができる。 (集英社新書)



宇宙からの帰還

立花隆

人類を月に到達させるために米国が技術の粋を尽くした「アポロ計画」と、それに携わった数々の宇宙飛行士の精神の変遷に焦点が当てられている。宇宙に行く前と行った後とで、宇宙飛行士の心の中で変わるものと変わらないものがある。未踏の地を目指した人の心理変化を浮き彫りにしている。技術の最先端にいる人が、何を思っているのかを知ることができる貴重な本だ。 (中公新書)



文学・芸術

新版 古事記 現代語訳付き

言わずと知れた日本最古の歴史書。日本神話のみならず、現在にまで通底する日本人の信仰や文化の原型・祖型を知るための必読の書。本書には、厳密な史料研究の成果が盛り込まれている。また、現代語訳が付いているところが良い。 (中村啓信:訳注/角川ソフィア文庫)



歴史・地理

王陵の考古学

都出比呂志

日本の前方後円墳、秦の始皇帝陵、エジプトのピラミッドなど、世界各地のある王陵・王墓を紹介・比較し、王陵というモニュメントが出現する背景と歴史的意義を探る。本書は、地域に根ざした学問と位置づけられることの多い考古学にとって、それとはやや異なる趣を持つ。一見異なる脈絡をもって出現したものと捉えられがちな各地の王陵を比較し、共通点を見出す。地域を超えた人間行動の共通性や、そうした共通性が生み出された背景を探るという比較考古学の手法は、新たな研究視点の実践といえるもので、考古学の現代社会に果たす役割や可能性を模索する上でも重要だ。考古学による歴史のダイナミズムを感じることができる。 (岩波新書)



自然ツーリズム学

菊地俊夫、有馬貴之:編著

ツーリズムに関する多くの教科書は経営学の視点から執筆されたものだが、この本は多彩な要素からなる自然ツーリズムを、様々な視点から解説している。この本を通じて、既存の学問分野と自然ツーリズムの関連性や自然ツーリズムと社会の関わりについて、知って欲しいと思う。 (朝倉書店)



エビと日本人

村井吉敬

日本人が大好きなエビは輸入に頼っている。身近な食品が、グローバルな動きの中で世界とつながっているのだ。著者は地理学者ではないが、きわめて地理学的な発想に基づいて、先進国と発展途上国の格差の問題、グローバルな流通経済の問題、世界規模の文化の差異の問題などを解説する。この本がベストセラーになったのも頷けるだろう。 (岩波新書)



文学・芸術

超訳百人一首うた恋い。

杉田圭

「百人一首」の中の恋を読んだ歌を、ラブストーリーで解説する「百人一首」マンガ。「百人一首」が詠まれた時代のイメージ、歌の大意、そして詠み人たちがどういった人物であったのかが掴めるだろう。「百人一首」の魅力にふれるきっかけとなる本としておすすめしたい。 (メディアファクトリー)



天地明察

沖方丁

江戸時代に初めて日本独自の暦「貞享暦」を作り上げた渋川春海を主人公とし、史実をベースに描いた長編時代小説。主人公が挫折を繰り返し、大プロジェクトを成功させる様は、現代の研究者の在り方に通ずるものがある。第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞受賞。滝田洋二郎監督、岡田准一、宮崎あおい主演で映画化された。 (角川文庫)



天災から日本史を読みなおす

磯田道史

昔の人たちが地震や津波など激甚災害にいかに対応してきたのか、古文書の中の災害記録を通して、つぶさに学ぶことができる。古人の智恵が詰まっているのが、古文書などの膨大な数の記録だ。資料がなければ、研究者はものが言えない。著者は、テレビでの歴史解説もわかりやすい磯田道史先生。膨大な資料群の中から災害情報を抽出し、それをわかりやすく人々に投げかけてくれている。記録を読むことの素晴らしさも実感できる。著者の熱い思いも本書を一気に読み進めさせてくれる。 (中公新書)



文学・芸術

探検!ことばの世界

大津由紀雄

母語であるがゆえにふだん意識することのない日本語の姿をじっくりみてみよう。英語を始めとする他の言語との比較から、言語は、表面的な多様性の裏に実は普遍性があることを豊富な例とともにわかりやすく解説している。言語研究には様々なアプローチがあるが、本書は、理論言語学と呼ばれるアプローチで音声、語彙、文法などの幅広い観点から言語に迫る。 (ひつじ書房)


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