ケミカルバイオロジーは、病気に関連するタンパク質等の生体内分子と、それに関わるであろう化学物質との相互作用について、理解を深めるための学問分野であり、化学と生物の両分野にまたがる研究分野です。化学物質とタンパク質の相互作用は、薬の主作用や副作用と密接に関わっているため、この学問分野の研究は、生命科学としての真理の追究のみならず、新しい医薬品のタネやその標的となるタンパク質の発見につながることが期待されています。
新たながん治療薬の出発点
私は、がん領域を中心に、病気に関連する生体内高分子と相互作用する低分子化合物の探索や合成、作用の解析を研究対象としてきました。この低分子化合物は、人工的に合成された化学物質や、自然界にある天然物の中から選びぬかれたもので、薬のタネになります。どんな低分子化合物が、がんに関連するタンパク質へのシグナル伝達やがん免疫応答などをうまく行えるのか調べています。これが、新たながん治療薬の出発点となり、がん治療の発展に貢献できると期待しています。
一般的な傾向は?
- ●主な業種は→医薬、化学、公務員、薬剤師
- ●主な職種は→研究、開発、製造、審査等