薬学系の本

エイズ治療薬を発見した男 満屋裕明

堀田佳男

エイズの原因ウィルスであるHIVが発見されて間もない時代に、治療薬発見に果敢に挑んだ満屋先生の伝記的ノンフィクション。世界で初めてのエイズ治療薬は、当時アメリカ国立ガン研究所に勤務していた1人の日本人によって見出されたものであることを知ってほしい。危険を顧みず研究にかける情熱は、同書の中で野口英世と対比されているが、優れた研究を成し遂げた人達に少なからず共通する部分でもあると言える。また、この本を通じて医薬品開発に必要なプロセス(例えば臨床試験と呼ばれる人体実験)、特許をめぐる争いなど、医薬品開発の裏側を知ることができ、高校生にも読みやすい作品だろう。 (文春文庫)



薬学のための無機化学

桜井弘

薬学を学ぶ学生向けに書かれた教科書。無機化学の基本的要素と、続く応用としての生物無機化学を分かりやすく解説している。応用問題や演習問題、その解説なども豊富で、幅広い知識を支える。 (化学同人)



肥満遺伝子 肥満のナゾが解けた!

蒲原聖可

太るという生命現象の問題点や、その成因について理解できる。特にその成因については、従来言われていた「意識の問題」以外にも、生まれながらの肥満傾向があることを生物学的に説明している。学生でも読める内容で、かつ非常にホットな研究分野であること、また生理学、病態生理学、分子生物学などの簡単な知識が得られることもこの本の良い点だろう。 (ブルーバックス)



大村智ものがたり 苦しい道こそ楽しい人生

馬場錬成

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士の半生を描いている。微生物研究から始まり、二億人の命を救ったとされる発見をするに至るまでの、生き方や研究姿勢は、高校生、大学生にとって大変勉強になるだろう。 (毎日新聞出版)



新薬に挑んだ日本人科学者たち

塚崎朝子

薬が完成し世に出るまでには、膨大な費用と歳月、たゆまぬ開発努力が必要だ。実は、近年、日本人が世界に誇れる薬をいくつも送り出している。そうした日本人研究者の開発物語を紹介する。コレステロール値を下げる薬を開発した第一三共の研究者ほか、エイズウイルスの増殖を抑える薬、アルツハイマー病の進行を遅らせる薬、身近なところでは胃腸薬に使用されるガスターなど。 (ブルーバックス)



世界史を変えた薬

佐藤健太郎

かつて「死の病」とされていた病気も、抗生物質の発明によってありふれた病気になった。他にも、歴史を変えてきた薬の発明は数多く存在する。現在不治の病とされている病気も、いつか将来、ありふれた病と呼ばれる日が来るかもしれない。この本は、過去に世界的に大きなインパクトを与えた新薬開発を振り返ることで、これからの研究を見つめる本である。 (現代新書)



すべて分析化学者がお見通しです! 薬物から環境まで微量でも検出するスゴ腕の化学者

津村ゆかり、立木秀尚、高山透、堀野善司

私達が普段意識する・しないに関わらず、何かデータを得る過程においては、必ず分析が行われている。分析は「縁の下の力持ち」としての技術的な役割についてのみ語られることが多く、サイエンスとしての面白さについて触れられた一般書はこれまで殆どなかった。この本では、環境・食品・医薬品・犯罪捜査・工業など、様々な分野の分析スペシャリスト4人が、サイエンスとしての分析化学の魅力について、実例を交えながら面白く紹介している。 (技術評論社)



元素111の新知識 第2版

桜井弘

クスリといえば通常は有機化合物を思うが、金属イオンそのもの以外にも、金属イオンをふくむ酵素など、生体内で金属は多様な働きをしている。しかしその重量は少なく、微量でもよく効く元素が金属元素だとわかる。ヘモシアニン、ミオグロビンなどは、酸素を体のすみずみまで送り届け、貯蔵する機能があり、シトクロムP450は服用した薬を分解し、体内から排出する機能を持つ。また、生体エネルギーのもととなるATPという物質を合成するときには、電子伝達系が重要となる。このように、生命活動としては裏方に近いところで金属イオンは働いている。この本は、金属イオンが働く仕組みを、簡単な無機化合物から金属酵素までを対象にして、平易に解説している。 (ブルーバックス)



薬学教室へようこそ

ニ井将光

クスリとは何か、クスリの創製、クスリの適正使用、薬剤師の仕事や薬学部で学ぶことなどについて、多くの執筆者によって広く網羅的に書かれている。専門的な内容というよりは入門書として適している。 (ブルーバックス)



分子レベルで見た薬の働き 生命科学が解き明かす薬のメカニズム

平山令明

薬学は、生命現象や疾病,医薬品の働きを「化学」の立場から理解する学問領域であり、この点が診断や治療を目的とする医学とは異なる点だ。この本では、医薬品がどのようなメカニズムで薬としての作用を示すかということが、化学という立場から分子・原子レベルで解説されている。全体としては高校生にはややレベルが高い本だが、試してみてほしい。例えば、高校の化学の教科書にもあるアスピリンやペニシリンが、なぜ薬として機能するかなども述べられている。 (ブルーバックス)


関連する学問

10.薬の学問をみてみよう
みらいぶっくへ ようこそ ふとした本との出会いやあなたの関心から学問・大学をみつけるサイトです。
TOPページへ