社会のルールである法律には、時代の変化にともなう価値観の変化や新たな問題の出現によって、常に検討すべき課題があります。そして実際に、毎年新たな法律が制定されたり法律が改正されたりしています。探究学習では、たとえば、現代社会・公共や政治・経済から、「校則が現在の社会状況に合っているかどうかを検討する」、「探究学習の発表で使う資料の著作権について調べる」といった活動が考えられるでしょう。また、「自動運転中の事故の責任」や「生命倫理」のように、実際に段階的に法律が改正されたり改正が議論されたりしている問題について、高校生の立場から調べ、議論するのもよいでしょう。
法律の問題は主に法学の各分野で研究されています。その中で、環境、情報、ジェンダー、知的財産に関する法律など社会の変化によって議論が大きくなっている分野は【新領域法学】で研究されています。また、経済、労働、社会保障、教育に関する法律は【社会法学】、民法や商法など民間の権利や紛争に関する法律は【民事法学】、少年法を含む犯罪に関する法律は【刑事法学】、憲法や行政法など公益や、国家と国民の関係関する法律は【公法学】で研究されています。そして国際組織や国際取引、国際人権など国際的な法律については【国際法学】、法とは何かや法制度の歴史、各国の法律の比較などは【基礎法学】という分野で研究されています。
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社会法学 経済法、労働法、社会保障法の法律学 |
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刑事法学 犯罪を裁く法律と裁判を考える |
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新領域法学 知的財産、サイバー攻撃、性差別の法学 |
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公法学 憲法、国家と国民間の規律を解明 |
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国際法学 国際社会の新たなルールを作りたい |
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民事法学 社会が回るように民法、商法を整え、紛争解決も |
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基礎法学 そもそも法とは? 必要性から問う |