民法は契約トラブルから消費者を救済できるか
消費者が救済されない事案が多い
広告等を見て契約を結んだけれども、実はそこでの説明が不適切で、自分が想定したのとは異なった内容の契約だったということでトラブルになることがあります。
この際に、不適切な説明を行なった者の説明義務違反が認められたとしても、支出した額よりも少額しか損害として認められないなど、説明の相手方(たとえば消費者)が救済されない事案が多数あるという問題があります。
この点に関して、ドイツでは、瑕疵担保責任(売買の目的物に欠陥等があった際の責任)に基づく代金減額請求の規定を類推適用することにより、消費者等の説明の相手方を救済するという手法が提案されています。
2020年、ドイツ同様に、代金減額請求ができるように
私の研究は、ドイツで提案されたこの手法を日本でも利用し、説明の相手方を保護するための理論的基盤を提供することを目的としています。
2020年3月までの民法には、瑕疵担保責任に基づく代金減額請求の規定はありませんでしたが、2020年4月に施行された現行民法では、瑕疵担保責任が契約不適合責任に変更され、効果として代金減額請求が規定されました(民法563条)。つまり、ドイツと同種の規定が、日本においても存在することになりました。
研究を通じて、新たな規定が、私たちが結んだ契約に対してどのように適用されるのかということを明らかにするとともに、現実に被害に遭っている消費者を保護することができるのかということを、明らかにしていこうとしています。
「契約不適合に基づく減額請求規定の活用による消費者保護」
◆約款(民法548条の2~548条の4)についての講義では
「約款の問題点としては、(1)内容の不当性、(2)意思の希薄性、(3)交渉の困難性があります。例えば、『Pokémon GO』で遊んだことがある方は多いと思いますが、トラブルが生じて運営会社と裁判をする際には、アメリカのカリフォルニア州に提訴しますということを、皆さんは約款を通じて運営会社と合意をしています」という話をします。
◆主な業種
(1)官庁、自治体、公的法人、国際機関等
(2)金融・保険・証券・ファイナンシャル
人文科学と社会科学の双方が1つの学部内にあるため、学生は幅広い分野の講義を受講することが可能です。例えば「法の経済分析」といった、横断的科目も複数開講されています。一方で、各コースごとの専門科目も充実しており、私が所属する総合法律コースでは、通常の法学部と同様の「学士(法学)」が授与されます。
Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? ドイツ。日本人と気質が似ていて、ビールがおいしいからです。 |
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Q2.大学時代の部活・サークルは? バレーボールサークルです。今でも社会人サークルでバレーボールをしています。 |
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Q3.大学時代のアルバイトでユニークだったものは? ある塾の講師をしていた時に、全国へ出張授業に行っていました。ほぼ観光でした。 |
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Q4.研究以外で楽しいことは? 酒蔵巡りです。日本国内だけでなく、フランス・ブルゴーニュのワイナリーや、ウイスキー蒸留所があるアイラ島にも行ってきました。 |