22歳が見た、聞いた、考えた「被災者ニーズ」と「居住の権利」 借上復興住宅・問題

市川英恵

借上げ公営住宅の問題を、大学生が、丹念に、現場を取材して考えながら書いた本です。阪神大震災の20年後に生じた、「借上げ公営住宅の問題って、こういう問題なんだ」ということがよくわかります。中高生の皆さんと年齢の近い筆者が、退去を迫られている入居者との交流を通じて聞き取った本当のところや、調べたこと、考えたことを書いているもので、皆さんにもわかりやすく、この問題を知ることができるようになっています。

研究者にはこのような本は逆に書けません。少し難しいですが、同様のテーマを学術的に描いたものに、早川和男著『居住福祉』があります。住居を失うことは住む場所を失うだけではなく、近所づきあいなどの人間関係(生活そのもの)を失うことになります。著者は阪神大震災の直後の実体験を通して、住居が人間の生存につながることを教えてくれます。 (クリエイツかもがわ)

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