年収は「住むところで」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学

エンリコ・モレッティ

地球上には成長し繁栄を謳歌する都市がある一方で、衰退を余儀なくされている都市もあります。新しいイノベーションの拠点となった都市は成長し、従来型の製造業を中心とした都市は衰退傾向にあるのです。こうした都市の成長の違いは雇用にも影響していて、成長する都市では雇用が創出されるだけでなく、労働者の給料にも影響しています。

これまでの経済学では、給料は労働者の技能や知識で決まると考えてきましたが、この本ではむしろ「どこに住むか」が重要だと説いています。個々人が教育や訓練を受けて技能や知識を蓄えるだけでなく、人々の知を集結する拠点をつくり、そこでイノベーションを起こすことが、良好な雇用を創出する源泉だというこの本の説明は、今後の雇用政策を考える上で、とても示唆に富んでいます。 (訳:池村千秋/プレジデント社)

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