マリス博士の奇想天外な人生

キャリー・マリス

著者のマリス博士とは、PCR法というDNA断片を増幅させる技術でノーベル化学賞を受賞した人。このPCR法によって、例えば調べたい病原体を特定できるようになった。この本はそんな偉大な業績よりなにより、博士の奇行に富んだ自伝となっている。無類の女性好きで、彼女を乗せてのドライブ中、現在PCRと呼ばれるDNAの増幅方法のアイデアがマリスの頭の中で突然ともいえる形で組み上がったという。サーフィン狂で、ノーベル賞受賞が決まった際にも海辺でサーフィンに興じていたことから「サーファーにノーベル賞」と大きく報じられたなどなど。訳者が、「生物と無生物のあいだ」の人気作家、福岡伸一先生というのも読みどころだ。 (福岡伸一:訳/ハヤカワ文庫)

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