新・脳の探検(上) 脳・神経系の基本地図をたどる
フロイド・E.ブルーム
イラストを多く使い、脳・神経系のしくみについて解説しており、漢方薬が作用する場としての脳についても理解できる。本の最後に、体内環境の維持としてホメオスタシスの重要性を説いている。ホメオスタシスとは生体恒常性と訳される。生体内の諸器官は、体の外部環境の変化に応じて統一的に働き、生存に適した範囲内に保持しようとする性質がある。そうした生体の恒常性を保っていられる性質は、内分泌系と脳・神経系との調節のおかげという考え方のことだ。例えば自然治癒力は生体恒常性の表われと言える。下巻も出ており、こちらは主にヒトの記憶、学習と記憶の細胞レベルのしくみ、思考と意識など精神活動の原点は脳にあることを解説している。
(久保田競、中村克樹:監訳/ブルーバックス)
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