腸内細菌の話
光岡知足
著者は微生物学者。腸内フローラの研究で「腸内細菌学」という新しい学問を世界に先駆けて樹立したパイオニアだ。腸内フローラとは、腸内に棲む多種多様な細菌のことで、数100種、数10~数100兆個が棲息すると言われている。この本はこれら腸内細菌の生態に触れている。生まれたてのころ赤ちゃんは無菌状態だが、成長とともに周りの人や環境から細菌を獲得していく。感染症内科学のある研究者は、「下痢症で腸内細菌がかく乱されても、また元通り健康が回復することもある」という。そのことから人体の防御のために生体にとって必須な成分が、腸内細菌との関与があるのでないかと考えられる。腸内細菌研究の奥深さ、面白さを知ることができる一冊。
(岩波新書)
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