サナギから蛾へ カイコの脳ホルモンを究める
石崎宏矩
日本の応用生物化学を牽引した著名な研究者による自伝。著者は、「前胸腺刺激ホルモン」と呼ばれる昆虫発育に関わる最重要ホルモンを延べ2,000万頭のカイコガから発見した業績で知られる、日本が誇る世界的昆虫生理学者である。この本からは、「ものを取る」というハンター的職業の面白さと難しさを味わってほしい。また、著者はエリート街道を歩まれたという訳ではなく、若い頃には画学生であったために進路に苦慮し、様々な紆余曲折を経て研究に邁進された。その姿も若い人々の心を打つのではないだろうか。
(名古屋大学出版会)
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