地図から読む歴史
足利健亮
地図に残された過去の断片を探し出し、そこを出発点として過去の景観がどのようなものかを復原し、人々がそこでどのように景観をつくりだしたのかを明らかにする歴史地理学の本。地図を出発点として大胆な推理を行い、古い文書の内容や考古学の成果を踏まえてその推理を検証していく謎解きの過程にはワクワクする。歴史地理学は、現代社会の地域的課題を理解するときにも有効な手段となりえる。地図を読み解くプロセスを大いに楽しんでほしい。
(講談社学術文庫)