レ・ミゼラブル

ヴィクトール・ユゴー

はしがきに「法律や慣習などを理由に、文明のただなかに人為的な地獄をつくりだして、不運な人間の崇高な天命を混乱させる社会の断罪が存在するかぎり、(中略)本書のような性質の書物も無益ではあるまい。」とあります。

法や慣習が人為的な地獄をつくりだす、そうならないように、第二次世界大戦後、国際連合憲章(1945年6月26日調印、1945年10月24日効力発生)から世界人権宣言(1948年12月10日採択)、そして国際人権規約〔自由権規約・社会権規約〕(1966年12月16日採択、1976年3月23日効力発生)が「人類の智慧」として生み出されました。

悪法か否か、悪慣習・伝統か否か、その法や慣習・伝統が適用される者の個人の権利(人権)を侵害しているか否か、個人の尊重、人間の尊厳という人権の視点からも大いに考えさせられる小説です。「小説はちょっと・・・長すぎる」という人は、先ずはミュージカル(可能であれば生のミュージカル)を観ることをお勧めします。 (訳:西永良成/ちくま文庫)

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