消された一家 北九州・連続監禁殺人事件
豊田正義
2002年北九州市小倉北区で発覚した監禁、殺人事件を題材に書かれた。人間心理の恐ろしさを鮮烈に描写している。犯罪史上稀に見る凶悪犯罪とされ、第一審で検察側は「鬼畜の所業」と被告人男女を厳しく非難した。著者は、6件の殺人・1件の傷害致死で第一審死刑判決を受けた男女2人の被告人のうち、女性のほうがDV被害者であったことに着目し、「女性は主犯の男性による長年の暴力・虐待により、逃げられない心理状態となり、命令に逆らえずに犯罪に加担したのであるから死刑判決は不当である」と本の中で主張している。2011年、最高裁判所によって主犯の男の死刑、共犯の女の無期懲役が確定した。
(新潮文庫)
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