それでもボクはやってない

この映画は、電車内で痴漢をしたと疑われた男性が、逮捕され起訴されて刑事裁判を戦う過程を描いたものです。皆さんは、授業で「疑わしきは罰せず」、「黙秘権の保障」、「公平な裁判所」など、刑事裁判の原則を学んできたことと思います。

被疑者が否認しても、その言い分を真摯に聞くことなく、暴力的な取り調べを行ったり、優しい言葉をかけたりして、なんとか罪を認めさせようとする警察官、被疑者に有利な証拠は集めず、被害者の供述のみを根拠に起訴する検察官、被疑者が否認を貫く限り身体拘束が続き自白を迫られる人質司法、裁判官の当たり外れに左右される訴訟指揮、そして判決は…。

わが国の刑事司法の現状は、果たして原則通りに運用されているのか、改めて考えてほしいと思います。 (周防正行:監督)

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