ベルリン・天使の詩
「壁」で分断されたベルリンで描かれたファンタジー映画。永遠の命を持つ天使が人間に恋をし、人間になるという物語で、人間になるとモノクロの世界がすべてカラフルになるところが、ミュージカル映画『オズの魔法使い』(米1939年)を彷彿させます。
「ベルリンの壁」のほかにも国立図書館、ポツダム広場、ビスマルクの時代に建てられた戦勝記念柱(ジーゲスゾイレ)など、西ベルリンを象徴するあらゆるものが登場します。小津安二郎に憧れたヴェンダース監督は映画の中で沈黙を重視し、和の雰囲気も漂う作品です。
この2年後に「ベルリンの壁」が崩壊したことを考えると、「ベルリンの壁」を描いた最後の大作と言えるかもしれません。
(ヴィム・ヴェンダース:監督)
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